昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

無辜な穴

無情な世界を浮遊する羽虫、冬の交わりを嬲る子供たちの無邪気な声が響く廊下、ヒリヒリとした高揚感が肥大し、揺れ動く空間では、新たな数学的な根拠が切り刻む代用品たちの歩く音が重なり、威張り散らすだけの大人たちの窮地に迫り、誰にも会わなくても、いつか誰かと交わるような気持ちだ、と揺らぐ君の機嫌の悪そうな化粧、形骸化した詩の中で加速する宇宙との調和、火傷した肌の上で破壊し尽くされた街、怠惰な政権により、私たちは実験台として屠られるのよ、と嘆く主婦を尻目に、支離滅裂な使命感などを引きずりながら、悲観的な観点を飛び越え、長じる予感から予言とは生まれ、奪われるために保たれるものにより主観とは破壊され、悪意が充満する商店街をひたすらに歩き、曖昧な思念が打ち出すヘイトクライムや、悪辣な連中による支配が生み出す腐敗やらが進行する。重複する罪の意識が折り重なり、この退屈で閉塞的な世界を生み出し、貸与するジレンマや、擦り寄る影や、兵器的な彼や、平均的ななにがしや、Y座標やX座標や、永劫回帰や、懐疑的な私や、終末論やらが瞬き間に浸透し、侵食する動機に迫るオートチューンや、切開される批評や批判の間で保たれる思いを泳ぐ魚や、猜疑心に苦しむユダであるあなたや、アナグラムの彼方で加担する物語の中で加算される苦しみの官僚として生きる君たちが束縛する社会の中では正解などはなく、絶え間なく迫る意識的な悪阻に苦しみながら産み出した我が子。この喜びの波形、止まらぬ精神論が生み出す赤い色したファシズムや不安感を超越し、確かな愛に帰結する。