昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

痩せた指から現れる宇宙

蓋然性を調律して、美しい旋律をかなでるパーソナルな指先、悠遠をまさぐる神の手や、手を伸ばし掴める範囲が宇宙の果てなのだと気付いてしまった私の末端からなびく意味や、与えられたものに便乗し、監視下に置かれ、短絡的な者が毒付くことに基づき、途端に身動きが取られなくなるような隙間に色彩などが損なわれる。あらゆる罪に同調するだけの深夜の構造、痩せ細った犬がふらつく道路、焦熱を繰り返し、自らを冷めさせる恋の終わりから、この生命とは始まったのだ、と惰性なカタルシスに至る類似品である彼女の故郷や、彼らの災い、猥雑な星座をなぞり、内面性を破壊するための義務教育により諦観するだけに至り、明晰な判断すらできずに、営利目的のために利用され、時期尚早である、と自らの衝動性により、概念が抑圧していたものを取り外し、焦燥感たぎる自らの裏側で叫ぶ自我の泣き言を書き換えるために課せられた意味などを超越し、自らの分岐を無視して、自己とは、どこから現れ、どこまでが、誰かのものなのか、と悩むだけの心理に取り残され、そこで加算される虚偽などに騙され続け、搾取されるだけに至る。精神の毛色をながめ、金色にかがやく意思の隙間を縫い、ちりばめられたメタファーがうそぶく連帯感に反し、監視されるだけの日々や、ねばつく情報から逃れ、誰かにうながされる怒りや、そこで合致しない思いなどが横暴に迫り、画期的なものすら生み出せずに、ただ現れる苦しみをそのまま受け取るだけの捌け口へとカスタムされた君の意味が打ち出す罪などには、クソ喰らえと伝え、かじかむ自覚が、もう震えないように、温め合うことが先決であり、誰もが勝手気ままに流動して、誰にも捕まえられないように、自らをも見放して、誰にも見つからないように。隠密して井蛙な時を暮らし、不純な日々に統合される意味の藻屑をかき集め、また同じようなものを、同じように形成するの、と幼い手が作る泥人形、あらゆる無知を模倣する退屈な印象から解き放たれ、絶えず対立を続けるだけの幼稚なものから逃げ出す。