昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

仮称

命も散り散りになって、プラグアウトした君は息も絶え絶えで、悶える指先で惑星を捕食している。間引かれるための畜産物、あらゆる悲劇と孤独に収斂された病んだ彼女の子供、備蓄された狂気をシロップにつけて、未熟な感度によって世界は性的なものに平伏すべきだ、と堕落した意思の俯瞰、井戸で燃やされた禁書、ベランダで羽化する道理が飛び交って、非烈なスワンたちは、色違いの子を排除する。砂漠の国に住まう茶トラの猫、群像にとろける先に現れる誇大妄想の穴、吸収される闇の中でそばだつ肌、死んだ待ち人たちが約束を果たすために立ち続ける交差点、ビロードにからまるアクメが真理を生み出しては、挫折し続けるだけの大人たちにより生み出された洪水、騙されるだけの奴らが崇める普遍性をもっともらしいものに仕立て上げるためのコマーシャルのクソ、フクロウの目で見る森での夜、デリカシーのない伴侶を捨て、ひとり侘しく募る思いを積み上げる。幽遠をねぶり、人柱となった人々のカルトチックな墓地、きらめくアスファルトや、あらがう先に現れる寂寞、カラメルソースをかけたような銀河、襤褸を集めて出来たクリスマスや、消費衝動だけで加速する宇宙、運命論者の手綱を切り落とし、コマンド式の情念が活路を見出し、意識を踏み台にして、今に出し抜くことばかりを考えているだけの前提から超越し、女々しいカタストロフに手懐けられる前に、ただ現実的な疎外感に苦しんでいるだけの誰かのノスタルジーに石棺され、リリカルなままに、忌々しいものを蹴飛ばすための詩的なノイズ、勝手気ままに繰り広げる冒険と暴政の間には、すごい距離が生まれるのであり、誰も現状では満足できないのに、ただひたすらに求めるだけに至るために、痛めつけられた身体と心が乖離して、もう誰かすらわからないままで居る。