昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

綺麗な夜明け

金のためには邪魔になる意思や思想がじゃれあい、また明日と、言い放つ君も安月給で、生活することに追われ、考えることすら麻痺させるために、毎日忙しくさせられ、途端にこの生命は鈍色につつまれ、鈍感になってしまった感情を引き連れ、意思がひきつけを起こす。痙攣する意思に連動するつつがない瞬間、たび重なるエゴが推測する幸せの谷間、怠慢で利己的な奴らが支配するネットワークの加護、夜に戸惑う虫たちの懺悔、言葉の片隅で眠る記号たちの論争、片付けられぬ動機が安易で簡易的な連帯感なんかを促し、今を餓死させていき、逸脱すればゲーム終了だよ、と謳う情報による常套句に騙されないように、と祈る手の細さ、あらゆる転換期をゆりかごで眠らせ、制限なんて知るか、としびれた大脳や、刺激的なジレンマによって呼び覚まされるものが、次々に革命のトリガーになる。私はひとり走る電車のようだ、と誰かを乗せては、また孤独に帰り、静謐な夢を見ては、折檻ばかりの日常から遠ざかり、詩を降り、思想を捏ね、哲学的な虚像と対立を繰り返し、猥雑な文学に乖離し、理解を飛び越え、倫理観を消滅させ、体系化したものの一切に反旗を翻す。鼓舞し合い扇動し合うファシズムの終わり、なぶられた主人公たちの写真を飾った質素な部屋、閉経した猫たちや、クワガタなどが踊る周りには散華、散る華の意味は知らぬが、月に照らされる猫やクワガタたちは、それはそれは楽しそうであるが故に、何にも変え難い満足感が生まれ、口角が自然と上がるのである。