昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

異形

過去が放つ怯懦な面影、関わるほどにあつらえられる苦しみから離反し、意識的な供儀から解き放たれ、配膳される理由をむさぼるだけの幼稚な連中が連投するファシズムや、昔話の枷を嵌められ、そこかしこで制限されるだけの綻びや、滅びを促す奴らにそぐうためだけに、引き取られていく動機が、道理すら損ない、そこで押し付けられるものに飲み込まれてしまう朧気な結末、待てど暮らせど幸せは来ない、と鬱積した面持ちで座り込む男の背中から、クラックやら、ブラックホールやらが生まれ、多勢に無勢な今に欠乏していく感情をひき肉にして、ハンバーグなどを作る主婦たちの夕食、犠牲的な伴侶が描く真理とカオス、痩せた玄関から這い出てくる赤子の末尾、倫理観を求めるがあまりに、自らが倫理観を損ない、批判ばかりしていることに気付かぬ限りは、どこにも倫理観や正義なんてものは存在すらせず、そこかしこに犠牲者を生むだけであるし、あらゆる結末は揺るぎない過信を持ち続けるから、何の正しさにも行き着かずに、誰かを否定してばかりいる。金自体に悪意はなく、その金を求めるがあまりに騙したり出し抜いたりする行為そのものにも善悪すらなく、そこには、そこはかとなく断続する欲にひきつけを起こした子供のように地団駄を踏み、わがままを喚き散らし、ただ欲しがることに捕食される自己が浮かばれない表情で立ち尽くす自己を傍観する自己との対立を、自我の内外で続け、終わらない自らとの軋轢は、終わらない欲を絶えず加速させ、欲しがるほどに増していく欲の囚人になり、自らが生み出す不安を餌にして、増していく欲に道理はなくなり、すべてを憎むように愛し、すべてを踏み躙る。