昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

全ての交わり

月の光を弾く背中、神々しく歌う恋の終わり、数多の波紋に掴まる羽虫のコード、狂騒を駆け巡る魯鈍な結末、あらゆる末尾から溢れる論理を保存し、あてがわれた罪を剥がし、ひとりで壮年期の痛みを取り外し、老年期に囚われぬように、と刹那を齧る君の刹那にかさばる動機が高揚し、時間から解き放たれ、延々と昇華し続けることにより、老いることも若返ることもないこの場所では、空間的なものに取り囲まれることもなく、あるこもないし、ないこともない、という曖昧さに加速していく意識は、今を逸脱し、誰にも捕まえられないように、と暗闇に身を賭す主観、晴れ間すら見当たらない、と機嫌の悪そうな猫、意識的な遭難者たちが屯する数学的な矜持、利権ばかりを交換して、意思すら換金する。軽蔑されるだけの堕落した観念が持ち寄る閉塞感でいっぱいの市場、対価を支払うために費やす時間に訪れる悲劇的な妄想、摩耗し続ける先では対比されるだけの関係性の中で朦朧とする君の退廃的な呪詛が、一律の不安をもよおし、はびこる儀式的な脛骨をなぶるような閃きと、斡旋されるだけの繊細な一行に潜む利息や、躍動する動詞が、腐敗したものを律する。ためらい傷であふれた信念、にじむ血の跡と、悲劇的な者が移送される希望の青さに諭され、今の苦しみなんてものは、つまらぬものです、と思い込むことにより、ほとんどの痛みとは昇華して、詩的なカタルシスに至るのであるし、肩透かしな日々の中、カタストロフに至るまでの軌跡を追いかける者が促す情報や憎悪に惑わされずに、淡々と超越する。