昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

稀有

混ざり合う夜道と革命、ストロボがチカチカと眩しい深夜のクラブ、偽装されたパスポートで飛び立った友達、ケミカルと散ったイリーガルな君、離散した家族の戯画、犠牲的なシンボル、ハサミで切り取られた過去、枯渇する仲間たち、グルーミングしている茶トラの気分で、原始的な裂け目に入り込み、理解すらも超越して、意識にすら抗い、統合されるたびに腹膜にひろがる炎症が、ホログラムに変わり、延々と押し広げられる健気な過ちにより加速していく意思が、足枷に変わり、世界線が絡まり、理解よりも速く幻想や記号に囲われ、たちまちに迫る理由などは、ほとんど意味すらもなくなるのだ、と瞬く間に孤独の内に嵌り、はびこる悪意が重用する言葉にすがりつくだけの堕落した人々が備蓄する苦悩によりやせ細った私は、リリカルな逍遥を繰り返す議論的な鳥になり、たび重なる罪により摩耗した大脳が依存的なものに陥り、蓄積される痛みが体系化し、巨大なルサンチマンを生み出し、奪い合うだけの世界での醜怪な理想が、理性すらもなく、誰かの幸せを食って生きていく。迎合されるものに寄りかかるだけの、堕落した人々の術、理解を酒で溶かしたような微睡み、代用品たる季節を託つ犠牲的な観念の鍵穴をまさぐるカントの顔、悲劇的な算用を繰り返すキルケゴールの孤独、実存主義から抜け出せずに、及び腰で個人主義の灰汁を掬いながら、期待なんかせずに、脱皮を繰り返し、ツゥアラトゥストラのように山から降りて、騒がしい都会で復古されるものに腰掛け、世界を貶しながら、懈怠する夢の中で裁かれるだけの堕落した主観から翼が生えて、衝動的に世界から抜け出す。