昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

滲む

裏切りで、びちゃびちゃになった服、入道雲にサングラスをかけさせたポスター、よごれた自動販売機に、落ちている十円玉、スピーカーからきらめく夏のタイダイ模様のロックロール、頭から湯気が出たタコがおでむかする近所のスーパー、理論的な敗北を受け、尻込みする散歩中の犬、憎しみでぐらつく若者たちの悔悟なんかを拾い集め、蝉蛻していく意識から別れを告げられ、ビックリして気絶していた殺風景な部屋、色褪せた世帯主が、西日に照らされ、息も絶え絶えとしている間に育つアイロニー、複雑で幼稚な夢、騒ぎ立てる後から迫る苦痛の割合が二桁を切ったあたりから注がれる熱湯を数分待ち、食すヌードルの味気なさに、意識は一体感を失い、そこかしこで乖離し、理解なんてものは、踏み絵にして、世界自体を破壊に追いやる的な敵意で満タンになった宇宙船、裁かれるための時間と、四季折々の憎悪のコントラストや、根幹から腐り切った我が家の図鑑からあふれる表現やアニミズム、虫歯菌や、用水路にあふれる落ち葉や枯れ木、危害なんかを踏み躙っては、実感なんてものは、即座に奪われるものであり、その場で管理され、いらなくなったら、捨てられてしまうというジレンマに収容され、修復不可能になった関係の中で、還元されないものばかりであるし、当たり前のように、幼稚にまかり通るものが、過信なんかを生んでは、今を徒に引き裂いたり、虐めたりしながら、緩慢なメタファーが引き摺り込む海の底から、現れる誇大妄想を作り出したクジラや、何やらで、もう地球がめちゃくちゃだよ、とリンクした一切に解き放たれた災いも、時間が経てば、なんてことないものだったね、と途端に空想に耽る歪な少年の欠如と、経緯のあいだを跳ねる飛び魚、毎日のファシスト政権の金槌とノコギリによる構造改革と、権力に固執するが故に、醜怪になっていく王家との対立を数十年続け、未だに終わらない攻撃の悪阻、あらゆる悲劇の誤爆、神ばかりの国、混同していたものが一切に撒き散らかされ、加算される苦しみにより、捩れていく意識が、ブクブクと肥えては、今にも爆発しそうである。