冷えた風が、捉えた隙間に知恵を付けた蜻蛉たちが舞う、退嬰的な焦土、憎しみもモラルも推敲し、散漫な意識を儀式的に昇華することでしか、自らを正当化できない民族的なアレルギーに捕まってしまい、惨憺たる結果しか待ってしないのに、感覚だけで走り回り、善悪がもたらす強制的な喜びにも悲しみにも同調しないで、ただ愛することを恐れてばかりいる人が蝕む意味に支配され、未だに芝居じみた答えしか生み出せないような、他愛ない瞬間から生まれる問題や、問答の中で平伏すだけに至ることでしか、自らの存在価値をも見いだせない子どもの未来を、子ども自体が嫌いにならないような教育を施して、遅かれ早かれ彼らは熱暴走し、森羅万象を燃やし尽くすためだけに、憎悪を溜め込んでは、意識に混濁を生み出しては、今にも全てを傷つけ支配するのだ、と自らの親が課せた罪の意識により、意志は損なわれ、外からの命令にしか従えないような者に、何も変えることは、できないうんぬんとカタルシスに浸っている精神科医の、精神構造を先ず見るべく、目の奥から、松果体に移動し、海馬をちょちょっといじり、その場に諍いを起こすために、ニューロンを走り回り、脳内を右往左往しながら、叫んだり萎びたりしながら時間をつぶし、運動的な連中が参加するデモの上を歩く怪獣の気分で、あらゆる意味の値札を剥がしがなら、軟弱な理想にアッパーカットをくらわし、くたばるかこのバカ、と運命に反抗的な意思を伝えて、又借りした借金からは逃げ惑い、上辺だけの出会には別れを告げ、孤独に馴れ合うだけでは、まだまだだな、とうなだれる暇もないから、おざなりにするよりも、同じであるよりも、より良いものを求め過ぎるよりも自由で、自由じゃないものの側にあるものの、不自然さに気を留めては、用いられるものが、あまりにも不誠実でしつこいから、そんなのは、無視して、すぐ忘れる。