昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

正気

朝になるのを待って、この世の濃淡を堪能し、平伏すだけの君の恒常的な苦しみを昇華させ、些細な出来事にからまる物語の顛末や、萎縮するだけの昨日から抜け出し、すべてを笑い飛ばすためだけに、生き延びてきた私だ、定めもなく、無心で、無意識のままに、今に突き抜けていくだけであるし、惰性で生み出された意味を踏み台にして、今に貧するだけの価値に騙されずに、打算的に再生される窮屈な一生を超越するために、すがることなく、理も刻々と終わりに至り、陰鬱な消費者たちが蠢く帰り道に、稀有な衝動が加速し、高揚感をたずさえ、苛むことなく、この疎ましい現状から逃れるための言葉が、絶え間なく反響し、退嬰的な君のリビドーが展開させるまやかしに反し、心無い言葉が連なるネットワークの阿呆や、能動的に戦火に突入する人々、焦るな、と戸惑う君に声をかける木々たち、曖昧な夜道にすがる虫たちの感度、よろこぶ歴史と、のらりくらりと仰ぐ隙間に生まれた秩序に反し、ノスタルジックに羽化する旅、保たれた均衡なんてものを、もてはやすよりも、はびこる悪意を前衛的なエモーションで掻き消して、かかずらうよりも、あらゆる形式的な憎しみのぬかるみに嵌り、配備される間に立ち寄る意味合いも不潔で、誘われる先では、形式的なものがセオリーを用いて、君を縛り付けるだろうし、朗らかな隙間から現れる光にみちびかれ、加算されるだけの悲しみに反し、わすらわしくも屈折する日々の中で遂行されるものなどに騙されずに、ただ自らの進みたいように進む。