昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

灯火

偶然を拾い集める猫、もう生きるのには飽きたが、人を支えるためだけに、生きながらえている家、顛末を掘り起こすモグラのギザギザの爪、血合いを終えた鳥たちの無垢で虚空な身体、前衛的な抜け殻を、雪景色に残して、形式的な愛が備蓄させるニヒリズムや、ヒリヒリした語感や、体系的な傲慢さの差額やらを告知するコマーシャル、憎しみを叫ぶ烏合の衆、汚れた角膜を愛撫する夜の湖、単調な世界にこそ、ふんだんに狂気は備わっているのだ、と、野ざらしの記憶を管理するプログラミングを裏切り、惰性で伸びた木々たちが、軋轢なんかを謳い、大義が無いから、ただ、機関的なものは、短絡的な儲けに囚われ、途端に、自らの欲に飲まれてしまうのだし、打算的に生み出される物語の砂粒、硫酸の雨や、取り残された心が、とりもちに引っかかり、身動きがとられずに、バタつく隙間に起床しては、汚れた褥から生まれた物語を構築させるために、理論的な掃除を終え、硬直する原理に擦り寄る美人局や、追憶に発信機を残し消えた友人や恋人たち、美化される結末の路肩、うずくまる少年少女の明日は、機械的なものに囚われたままで、依然として快適さを知らずに、不器用であるから、名ばかりのものに囚われ、ただ、単調な意味により、意思は閉ざされてしまうのだ、と、打算的な彼らが打ち出すビジネスなどは、ただの消耗品であり、誰かに利用され、貸し付けられた罪により、向こう数十年は、孤独に借金を返済するだけの、腐った定めの根を断ち切り、ただ、愛することを、始めたほうが、楽になるのに、馬鹿が馬鹿の首を締め、平気な顔してやがるから、空回りしても尚、自分を愛することに専念し、簡単に勘違いして、自己顕示欲により、狂ったりしないようにして、支配からは、一抜けし、威張らずに、一途にすべてを、もう一度、愛してみようかとは思うが、語られる愛などは、所詮は、愛と名付けられた、物、でしかないのであるから、何にも縋らずに、自らの意思で孤立しているのである。