昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

苔むした世界のお腹

判断力もなく、大人になった連中が抱える妄念、執拗に迫る理由を単に受け入れるだけの、空虚な器たちは、自分で考えることをやめ、ただ、流されるままに、誰かが崇める神や、誰かが勧めるものを、そのままに受け取り、動かされることにより、増していく快楽の道具になる。拘束されるだけの、忌々しい世界や社会や国家、がむしゃらな希望を掲げ、政治的な罪や、宗教的な退屈や対価を超越して、定めもなく彷徨い、逍遥する先では、本質を見出し、歪な真理を打ち倒す、と、和毛を振り回す馬たちのシュプレヒコール、ランダムに繰り返される理念や、刷新されるべき今、自分自身を引き裂くほどの、おどろおどろしい結末、あらがうほどに巻き込まれていく老いた足、愛したはずのものでさえも、猜疑心なんかにまみれては、もう同じような清潔な生活に近づくことすらできずに、ただ、いじらしくまとわりつく理由に付きまとわれ、自分すら見失うほどに広がる一切の裏切り、散々な現象のアーチを潜り抜け、認識することすら、愚かだなんだと、しいたげられるだけの隙間、異物感だけを抱えた大衆的な問答、陰鬱な結合ばかりを繰り返しては、手懐けられるだけの自分や、利己的な更新や、合理的な奴らの潜血、降り注ぐつぶての数、仮想的な敵を生み出し、わずらわしい者たちを騙しては、互いが絶滅するまで繰り返されるシュミレーション、時代の中で凶暴化していくのは、必然であるのだ、と、語る学者たちの脳内で磔にされている正解のような気分だ、と、胡散臭い現状を、掻き消すためだけに、何度だってこうして足掻くのだ、よ。