昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

未知

地球の内臓に噛み付く龍、荘厳な夜の閃きや、回転する座標、東から生まれた光のような赤子、淡白な彼女たちの低空飛行、悲観している暇もないから、モグラのように土を掘って生活して、日々を腹這いしながら過ごして、怠惰なままに描く夢、ただただ、平穏な隙間から現れる確かな愛、街路樹にぶら下がる、はしたない過去、漂う意識は、散漫なままに、君を貸し借りしながら、窮屈で、忌々しい現実を超越しては、厭世観なんかに騙されずに、たちまちに現れる静謐な予感や、定められた意味や、かしこまるだけの休日や、悠遠から肥大してくる可能性、世間体や、清潔な今、対峙しているほどに、対価に蝕まれていくという苦しみから逸脱して、セオリーやセリーやら、見すぼらしい今や、幾つになっても、詰られてしまう結末に残された遺留品の数々、君は消えて、誰かのために料理などを作って、その誰かのための笑顔は、たぶん大昔では、私のための笑顔でもあったの、と、感傷に浸るよりも速く動く私は、過去にとどまる必要もないし、そうであったかのように示される間に溜まるアイロニーや、そこで老化するだけの、栄華や栄光などは、長い歴史から見れば一瞬ではあるが、その栄華や栄光を受けた本人からすれば、それは、永遠よりも長く、一瞬よりも早い、というあやふやな答えを縫合するための、針と糸を用いて、バラバラになった心を縫い合わせて、君と同じような感じなったよ、とかいう同調や同期こそ、屈折した人間を、同じように、生み出すだけであるし、そのような機械的な結末に迫る退屈な動きにより、根絶やしにされた本質や真実を漁るための、過程には、中指を立てるし、捲し立てられてまで、君たちと居たいなんて、思うはずもないの、だ。