昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

ちぐはぐの春

太陽からは、バターのような香りがして、心が私怨で煮えたぎるのを、昇華させるほどの甘い香り、恋焦がれた恋人たちは、世界の狭間で、代償ばかりを求めて、もっと愛が欲しい、と、嘯く連中に左右されずに、誰かが決めたことが産まれたときから大嫌いだったから、たったひとりでいつも、創作ばかりを続けてきた数十年であり、出会ったりよりも、別れてばかりの世界の中で、発色やら発症やらが、今にからまり、関わるほどに重くなる足取りや、あいまいな示唆により、身動きも取られなくなってしまい、終いには、短絡的な同期や同化を求めては、チグハグになった精神に成否なんかを促し、ふわふわで、デリカシーがない主役たちが懊悩する瞬間、堕落した季語たちを掬い上げながら、誰もが、誰かの大切な何かであった頃、言葉も未だ確かさを持っていて、誰もが誰かを愛していた頃、定めもなく未だ彷徨い続け、泡沫に備わる自由も、誰かの自堕落な生活により、足を引っ張てるだとかと、うるさく付きまとう人々の巣窟、偶像に攻め要られた君たちの狂気、主体性も旋律を放棄して、自らの音程や体感だけで、正義を超越して、栄華に沈み、未熟ながら、境目なく囁き合う人々のエゴを飛び越え、倦怠感を加速させるだけの、政治的なものにふさぎ込まずに、ただ、愛することに擦り寄るだけの、名ばかりなものや、上辺だけのものを取り除く工場で働く私は、すくない給料で、いけすかないものを構築させては、何か神のような気分で、誰かを手懐けたりする必要はなくて、ただ、徒に消費するような連中から逃れて、自らの静謐に帰る。