存在なんてものは、あやふやなものですね、と、他者から借りた感情で話しかける彼女との互換性、清貧な行方を切り取る彼らとの和解、街路樹に絡まる髪の毛や、カラスの歌声、望みなんて、捨て去るべきだと、謳う原理的なものの全ては、今に崩壊するだけだと、うそぶく年相応の連中、時代的なものの中で錯乱し、アンニュイとした今朝に引き摺る余暇、今に照合するものに緩衝し、今に規制されるだけの日々や、蠢く面影、悄然とした動機や、体制的なものにより、隠滅して行くセオリー、涜神を繰り返しては、消滅していく値、退嬰的な人々や、倦怠感を抱えた足、泰然的とした考えや、欲深い君、与えられた罪に反し、かさばるだけの道理に抵抗し、吐き出す嫌悪感や、痩せこけた人々、毒々しいモニュメントの数々、仮想現実の中を彷徨う私たち、境目なんかを持ち出して、誰彼構わずに、排除する先では、あらゆる衝突が生まれ、激化する戦争が孕む悪意のようなものを、鵜呑みにするから、何も正しいものが生み出せないのであるという、偏った思いにより、その正しさすらも、歪んだものに変わり、関わるほどに、増して行く悪意の虜になり、自由や理想を謳い、誰かを騙すほどに、増して行く快楽や、醜いミリタリズムにより、自らの女々しさを撹拌し、関わるほどに、煩わしくなる関係の中で、切り取る運命や、奪い合う領土や、地上を埋め尽くす憎しみの数々、偽装されたものを翻し、自己批判を強制する施設から逃げ出し、滲む血の痕を眺めながら、厭世観などに騙されずに、自らの意思だけで、生き抜く。