記録の上を走るプリミティブな衝動、大陸を食い尽くす反物質や、排気ガスに塗れた悟性、くたびれたカオスや、蓄積された焦燥感、大義を吐き出す大きな口、朽ちた巨像を眺める少年、建築的な妄想、象形文字をなぞる老婆の指で光るサファイア、安易なプロセスをよじ登る猿たちの群れ、群像に溶けたアイスクリームや、矯正器具を外して、凡庸な神を超越して、厭世観に騙されずに、希望だけを頼りにして、解釈を打ち砕いて、懐疑的な日常を縫い合わせる思い出の中の馬や鳥たち、大義名分を振り回しながら、熱暴走し、徘徊する原野、血合いをされている家畜たちの憎しみのようなものを纏う、ルサンチマンたちの暴徒たち、すり替えられた正しさを崇める無知な子供たちを騙してまで、正義を謳う奴ら、誰もが、楽園を探して彷徨うが、楽園が見つけられた途端、すべては、汚され、奪われ、横暴な終末に引き摺られ、悲観的な熱病により、捩れて行く空間から這い出て、整合性に絡まる髪の螺旋階段を上がり、端的な矮星に住まう宇宙人が、還元する未来や、苦楽の果てには、爽やかな風に揺られ、腹膜炎に張り付く毒虫たちや、酢酸に塗れたビニール傘、がんじがらめの日常にそぐう価値、偽装される森林に住まう幼稚なギミック、ガムシロップのプールを泳ぐ人間のようなものを模写する画家、堆積する理由をよじ登るロジカルな狂信者たち、離人症を抱えた猫や、高潔な品位を蓄えるビジネスライクな大人たちの嘘を飛び越え、延々と続く罪の海を泳ぎ疲れ、つたない一生を羽ばたく翼、ヘブンズドアは、まだずっと先だから、入り組んだ意味を越えて、勝手気ままに突き進んだ先で、自分の天国を作り上げる。