記憶の旅人は、永遠に帰れない過去を堂々巡りしては、端的な答えに圧死し、道理を謳うような奴らを打ち倒し、遠退くだけの過去を、捕まえようなどとは、二度と思わず、ただただ、戸惑うだけの今を破棄し、画期的な今にぶつかり、過ぎ去るだけの今は葬り、未来に屠られないためにも、鍛錬を続け、切なさを齧る虫たち、ヨハネの黙示録を布団にして眠る木々、ふるえる夜を間だけ、そばに寄り添う愛の姑息さに、敷衍して行く液体の余韻、互換性がある結末や退く影、凡庸な頭に現れた猜疑心、犠牲的な制約の枷により、約束を守らされる、子供の頃の自分が住まう深層心理に移行し、自らを連れ去るまでの値、退嬰的な余震に苦しむ街、意識上で開花する花々、君の価値観を屠るためのコードや、シリウスが死滅して、数千年が経った後に、降り注ぐ銀製の矢、タナトスを崇めるガチョウの群れ、人工的な錯乱により、結婚式を崇める処女たちや、フレキシブルな災厄や、まどろみを走る戦艦、愛されるほどに、増して行く憎しみにより、改ざんされて行く毎日や、ミリタリズムを嘯くケミカルな盗賊たち、化粧台によじ登るトランス状態の子猫や、光った苔を頼りに、山道を裸足で走る孤児たち、貸与し続ける面影もセオリーで、ガチガチに固められ、メタファーすら死滅したの、と泣き叫ぶ有閑階級のアーティスト、時間に拘束されるかぎりは、君は、そこからは、永遠に出られないのであるし、あらがうほどに、食い込む縄、ぐちゃぐちゃになっている傷の味、分裂していく思念や、念じるほどに、歪んで行く現実、そこかしこで、捻転している足指、法則を無視して、怪物として生きる。