昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

孕む月

おもしろくゆらぐ月、端的な余韻に迫る、元来の羽をはためかせ、悠遠にこしかけ、けたたましく鳴き散らす、最後の夢、または、咲き乱れる憂鬱に放たれる、至高の時を折り曲げながら、屈託無く笑い、いたずらな時に消費される差異と愛のあいだに、感染していく病の跡形、空回りする日常にすりよる科学的な伴侶と、半径で押しつぶされる惨憺たる日々の奴隷、悲観的な観点に肥大化する愛が蓄積し、時代性に征服され、複製される真実の伏線をあつめ、温め合う二人の遊興に、ちりばめられる星の数ほどの普遍性から、整容される時に服従することが、正しいとされるから、私はもっと生きたいから、誰かの言うことなんて信じずに、自分が思う通りに、自分が正しいと思うことで、精一杯なんですと、あらがう日々の美しさを敷衍させ、てきとうに突き抜ける今のぬくもりよ。そのぬくもりの遥か午前、追憶に貧する所以が悲哀にみちびかれ、可憐な季節を牛耳りながら、貧相な言葉で愛を枯らし、簡単に処理される日々は、誰かの関係を盗みやすくするために、短絡的な快楽を加速させるらしく、らしからぬものを、ラジカルに追求し、追尾する真実も、どれが正しいのかすらもわからぬままに、くたびれた日々に現れるニキビのような君にせまる空虚さを耽溺するような輩がせまる、にせものの価値を切り裂き、自らの価値を構築する。