目をつむって、唾を飲み込む。自由すぎて、不自由だと語るような、体系化した悩み事にきしむ成否なんかが、健気にうつむき、浮遊する孤独の張りを楽しむ。

私は、私しか信じんと、とたんに現れるもんなんか蹴飛ばして、君すら裏切って、ドギマギしながら、今をなぎ倒して、ながらくに嵌まり込む思いが、誰かを傷つけて、舌足らずに吐き出す思いが今を傷つけて、チクチク痛むこころが、遠くなって、なまなましい動…

猫は自分が、 猫であることも わすれて、 毛づくろいを続けて、 舌のザラザラした 感覚だけが 意識を覆う。

誰も帰って来なくても、 何も不安に思わずに、 凍てつく日々を 慈しみながら、 沁み入る痛みに耐え、 度重なる愛に、 義務すらもなく、 ただ自由に飛び回る。