昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

はじけた後に生まれた夏

にやける群像。とろける夏の日のツノを抜いて、変化するものなんかが、モノクロに変わり、マニュアルによりかかる倦怠感を抱えた女の、アンニュイとしたロジックをしらみつぶしに調べる偏執狂のレクイエムが鳴りひびく深夜に、貧寒な品質を謳うだけの通販番組の悪夢がさえずる謳い文句が、延々とひきずる予感を駆逐する軽薄な浪費を続けるだけの、ロボトミーなどが、切り取られた前頭葉を、キリストとして崇めるような、悠遠に肥大する思いが吹きならすハーモニカが、ハードコアな様子を称え、対等さを謳うほどに、対価とは生まれ、互いに懸隔を生み、還元されるだけの愛に定めを生み、誰かを愛すれば愛するほどに、幸せとは、程遠くなり、意思は原則を抱え、定期的な痛みを自己の内外に派生させ、制限を生み出す自己が汲み取るものが、縁取るものにより、真理には傷が出来て、でたらめな愛にぬくもりを与えるほどに、意思とは曇り、空白を補うためだけに、誰かを愛するという補修作業から、確かな愛へと変化する様子を観察することで、夏も終わり、なつかしむ暇さえなく、ただ、現れるものの理不尽さに呆れながら、ひたすらに愛することを始める。