昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

足の指の間の星

人は馬鹿だから、翼以上のもので飛ぶって鳥たちが騒いでるのが素敵な歯がゆい春、集約された約束はたぶん惑星なんかに変わるわけで、わりと約束をやぶりたい僕は、感傷的なノイズをまき散らす昆虫と和解して、破壊的な若さを超えて、孤舟の先に羽化する日の光を待てないから、いつまでたっても苦しみもがくらしく、くたびれた意識は裏切りに完結して、冷めた所以と空疎な自己の中で、散漫な夢を見る。

血の味と酸欠、繰り返されるアルコールと交合、あらゆる権利と摩擦して眠る彼女たちは、ずっと冬をかかえてしか眠れないらしく、僕はねたましい月をにらみながら、機械的な街を、けたたましく鼓動をかき鳴らしながら歩き、ギシギシ鳴る身体が枷のように思えてならないから、ひろがるだけの宇宙の供犠としてささげ、さいなむ記憶をパスワードに変える連中と対立する。


この身体は誰のものなんだろう?と何かの中毒者が語るちょうどよい夜は、余裕に孕むべき新しい身体と交換されるために、並ぶ奴らをけなしながら、退廃的なモジュールたる私たちに送られる花束とは、綺麗なだけで、なんて残酷なんだと、虚空にカタルシスをもとめる子供たちは、帰る場所はないけれど、強い目をして、世界を切り裂くから、健気で美しいが、山ほどある残酷さを背負いながらも、必死にその手をバタつかせていることの意味すらも知らずに、教育ってやつに侵されていくことによって、その健気さは、攻撃性に変わり、意欲はなくなり、ただ独占欲と征服欲にせまられ、狭い価値のあいだで苦しむことによって、純真さはそこなわれ、そこそこの人生というものを姑息にねだる。


退路を持たずに更新する僕はスキップしながら、尊い生命なんてものは存在せず、ただ生存本能と、防衛本能だけで世界とはまかり通るのだと、おごり高ぶるのはよして、陽動されるだけの深夜を破棄し、深淵へと隠遁するのです。