昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

二人

何かがこすれる音が、静謐な夜を淫靡なものに変える。同化し続ける二人の鼓動は、数十億年もの義務的な営みを超過し、不自然なままに融合する瞬間は、時間をも超克し、自らの思いが相手に反響するのが、自らに反復することにより、より強度を増していく思いは、可能性を謳うよりも、不可能なものとは、不可能なままに置き去りにし、ただ未来へと紡がれるものすら切り裂いて、今に取り残されていく思いだけが、絶えず反響し続けていく。