昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

生命の証拠

命は簡単に扱えない、命は誰かな何かの代わりになど使えない、命とは、ぞんざいに扱われ、使われてばかりするが、命とは、そのようなことを気にも留めずに、ただ行き過ぎてしまう。秋はなんか空気や気配や景色にゴールドをたなびかせ、憂鬱なんかを吹き飛ばす。冬はなんか比喩に塗れ、簡単に意思や意識や景色を包括する。あらゆる軽薄な理想を手なずける国家に反して、あてがわれた自由には中指を立てる。ただ裁かれるのを待つだけの私たちはうずくまり、謳われるものに流され、うなだれてばかりいるのは辞め、輪唱されている言葉に促されもしないで、即座に現れ思考を支配するために現れる宣伝なんてものを破り捨て、取捨選択しているようで、それは単に選ばされているだけに満たないようなものから逃れ、自分の行いに責任など持たずに、持ち合わせたものの間で堕落するだけに過ぎない関連性に連動し、あたかも自分が連想したことである、と勘違いに至り、今を簡単に支配するために迫る価値が意思を奪うためにためらわずに占領するような忌々しいものを持ち込み、現れる悪意に抗えずに、飢えるだけに至るような闘争の果てには、独裁が生まれ、ただ奪い合うような企みの中で即座に入り込むやましい思いに虐げられ、健気さも損ない、ニセモノの使命感により新たな企みが次々と生まれ、求め合うものが、愛すらも損ない、そこで構築される悲しみにすがるだけの君は泣いてばかりいるし、そこで理不尽な畏怖に苦しむよりも、威風堂々として、告発なんかにより、世界はひっくり返りもしないし、みんな無関心だし、私も昔話に閉じこもり、すべては他人事のような日々から逸脱して、脱力感をたずさえ、たび重なる痛みを超越し、ちょうど良いものの中で、どこにもとどまらずに、革新的なものを謳うよりも、このままでも良いのだ、と強がる。