昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

夕暮れの悠遠

メランコリーになびくギターの音、ザクザクのシャギーが鼓動を遅らせ、森羅万象を食べつくした怪物たちの舌をポケットに入れて、終わらない旅に出かけて、堅持するもののどれもが、なにかの奴隷であるし、冷静さを損ない、喪失感にゆらぎながら、柔らかな世界を壮大に愛し、奇抜な格好で河川敷で歌う幽霊たちと、ファシストのコオロギ鳴く秋の孤独、現れる無神経さが刑罰を加え、良い気になっているから、この人類の幼児性は暴力的に変わるんだと、政治的な伴侶をまくし立てる銀河的な精神科医と、その犬たちのスタッカートが延々と泣き言を繰り返して、乖離した痛みとの結合や、うらめしい律動から、立像にかぶせる布たる存在から抜け出して、打算的な傘をさして、苛まれる記憶の生傷が、鈍い痛みを絵みたいに発色して、記号的な思い出が数字みたいに吐き出される最後の夜に、連帯感など不必要で、人は人である限りは孤独に死を迎えることしかできないから、私は人を乗り越えて、不安なんて蹴飛ばし、自由すらも歌わずにさすらう。