昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

姿勢

全部ひっくりがえった後の血、君の触覚、つたない愛とスコールの味、季節を封緘して送る手紙の蜜と、乾いたパンに乗る春の虫と、君の無知、あらゆる刺激にゆらいで、喜悦をたもつために、荷物は捨てて、バンパイアに血を吸われた昼下がり、塞ぎ込んでまとまらない夜、形あるものの終わりが蓄積されて、この夜は形成されているの、とにらみつける君の目が月みたいで、導かれる行方に期限を隠して、延命するための管をぬいて、コード化された汗が未来を作り直して、転々とする感情が地球を調教して、やがて春は破壊的な奴らが都会でたむろして、メロンソーダを飲む最後の喫茶店で、わたしはやがて歯がゆいだけで、とがめられた過ちの中で悔悟をためこむカバンみたいに生きるんです。こんぺいとうでできた世界、端々にあふれる思いが抵抗を加え、順序なんかに隔てられずに、惰性で愛してごめんね、と恋の終わりを告げる理不尽な証拠が迫り、狭い観念にはアンチテーゼがひろがり、ゲーテが歌う保湿的な凄艶さをふくんだ時の死と、永遠性に反して、干渉し続けるわたしたちの吐血を抑えるためのガーゼとして、対抗する意識に高揚感が現れて、わずらわしく口ずさむ呪文みたいな言葉を受精して、恍惚にふちどる言葉が今を木っ端微塵にして、嫉妬ばかりの現代の裂け目を縫い付けることもしないで、全部忘れてしまうよりも、全部覚えてしまい、すべては、ここでの償いをもとめるだけの記号であり、機能なんかはいらないから、君を愛したことを軽蔑しないで、支配されるとかするとかいうことからも放たれ、事柄とは遠のくままに葬り、放置し続ける先々で悪意をかき消して、混迷し続けても尚、乗り越えた先に、光あふれ、ふれあうほどに痛んだ身体を戒めるだけの罪を乗り越えるためだけの意志が轟々と唸る。