昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

尊ぶ

昼下がりの蜘蛛の糸きらりと光って、相互になって克服される痛みが理念を捨て、静謐に佇む信念と別れを告げ、荘厳に宙空を舞う意識はどこにも行き着かずに、ただひたすら飛び続けることだけに専念する。世界的にもっとも狂った一行が降り注ぐまで、この瞬く間の命を大切に育てる母のような大気の状態よ、晴れ渡る空は荒んだ心と遊んで、孤独に苛む部屋の中をぬくもり包む。ああ、私たちはこうして最愛の日々を無い物ねだりをして、最悪なものに変化させるのか、と襤褸と化した心をつなぎ合わせ、一張羅に変えては、表面ばかりを見て、事実や真実を見失ってばかりである。まるまってブーツみたいな猫の寝息、犬のいびきとからまり総和する幸せ、選んだものではなく、ランダムに飛び交う表現が嫌いで、ゆがんだテクスチャーに敷衍する事柄の恐怖、不安そうに電車にゆられる影のような人、たちまちに夜に駆逐される君、世界も分断されて、新たな価値を生み出し、君が溜め込んでいるものも、単なる紙切れに変わり、確かなのは、ここで大切にしまい込んだ優しさだけなのかと、加算されるだけの時間を乗り越え、名残惜しい瞬間が循環し、君が背負いこんだ主観が、適度に運動を重ね、そこで抵抗するほどに、次々と反発は生まれ、背反し続ける先に、しあわせは遭難を生み、構築される痛みにより麻痺してゆく意識は聡明なものに駆逐され、くたびれた意識はただ誰かを憎むことでしか祝福すらも生み出せずに、自らがなにかを生み出せないからと、諦観するだけに至り、あいまいな主体は悟理を謳い誰かを騙すだけに至る。今の苦しみはいつかの罪のせいでもなく、今の苦しみは今の苦しみでしかなく、そこに現れる苦しみはいつかは消え去るだけであるし、そこで消えたからといって、悲しみは消えるわけではなく、そこで分け隔てられて、持ちつ持たれつだ、と求めるだけの君の猶予から、余裕が生まれ、寛容に包む今に苛まれ、駆逐されても尚、チクチク痛むからといって、誰かに責任転換し、展開するものすら抑え込んでばかりだし、なにが必要かすらも見えていなくて、混迷に至るだけの君たちの価値なんかは、犠牲を生み出し、今に君も踏み台にされ、くたばるだけなのか、とかも知らないし、知りたくもないし、知り合いでもないけど、心配ではあるし、救うとか、その必要はないとかもうるさいから、手を差し伸べるよりも、君を抱きしめるために、受け入れる身体を自由に使えれば、それで良いのだ、と。