昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

喜びの味

キングストンでの夕焼け、ルーツロックレゲエが打ち出す悠遠、雲に移るピンク色した普遍性、サフランライスを食べながら、なごむ瞬間や、変な色の歯磨き粉で磨く歯がよろこぶ音や、肥大化する恋が悲観的な災いを吐き出す白痴な夜が連れ出す卑劣な彼女たちの慟哭、つがいのあの子たちが示す運命、彼らが切り開いた世界から見える内臓や、魔術師が奇跡的に折り重なる思いが時間論を超えて、悪魔めいた日々が撒き散らす憂鬱なんかを変換し続ける機械的な斡旋から逃れ、倦怠感に揺らめく私が多目的に愛していた君を愛するという目的からは離れていって、だれを愛しているのかすらわからなくなる瞬間にあふれる思いとは自己愛的であり、偏った愛とは、なにかに酔いしれているだけののかも、とか思っても、しょせんは酔いしれるのが愛なのかも、とリフレッシュする瞬間にあふれる言葉が卑賤なものを飛び越え、孤立しようが御構い無しに、察する間にはあいまいな示唆が現れ、今をむしばみ、意識を召使かなんかに変えるばかりだし、惰性でとらえた意味合いなんかが、気配をなくして、今を刷新し、損なわれていくだけの現在が、健気に羽化し続ける先々では、災難なんかを飛び越えて、あらゆる変化を受け入れるような新しい街が生み出すテクノロジーや、抵抗し続ける先には、自らを失うよりも苦しい戦いがあったとしても、戦わずに逃げるよりはマシか、と加算される空白に生み出される瞬間的な苦しみから抜け出して、体制的なものに媚びへつらうよりも、勝手気ままに歌い続けることのが、価値を携え、兵器的に笑うよりも美しいことで、兵役に連れてかれるよりも楽しいことで、戦争よりも、身を寄せ合う自己との対話により、無意味な争いが謳う口実よりも、ただあふれる瞬間にあいまいながらも、長らくの憂鬱から肥大化する愛に似た何かが間引きするものに意識を奪われるよりも先々で対立を重ね、対比されるだけのあらゆるものの権限を翻して、批判的な輩が示す怠惰な正義を私たちは個人個人で、蹴散らすの、だ。