昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

季節の汚穢

メランコリックな操縦桿に乗って戦う彼女たちの忘我、亡骸と化した自らの短い人生を呪う蝉たちの尺度、苦しみを繰り返し代弁する刹那、気もそぞろで夏の終わりのひぐらしによる大合唱から、秋を呼び覚ます鈴虫との別れ話を終え、冬と詩とカタルシスが交わり、浸透する春は等身大であり、利己的で不純な思春期に浴びるほど飲んだ死と調律を終えたピアノのリズムに歪む感情に伸びた眉毛、ヒステリックな面影を携え、制限を持たない精神が涅槃にたどり着いて、ディストーションが効いたギターをかき鳴らし、大嫌いだ、と世界に喚き散らし振り回す髪の毛、軽薄な理想を咥えて新たな生命をもたらすコウノトリ、雲雀が飛び回る自由な乖離、離散した家族たちの終末論、うなだれる大きな頭の子供、虚空に羽化した物語が飛び回り、ガイリッチーのようなリズム感ある展開で場面が目眩く変化する躁鬱的な情動、氾濫する若い理知により、社会的な化け物に変化していく私自体を包括する哲学的な焦燥感を加速させるためだけに生き長らえたのだ。思念が吐き出す限界なんかを調理して優雅な晩餐を楽しむ。流動する真実の返り血を浴びて、歪な事実が汎用する正義などに騙されずに、際限なく自らの意思を貫く。ばらまき続けられた愛による連帯感、吸い取られるための出産を煽るような政策、粗暴なままの君たちの真似事に統合され、意識はその場に沈み込んで、混濁する理由に飲み込まれてしまい、しばらくの猶予を切り取るだけの寄生虫や、中庸を謳うほどに自由からは懸け離れていくだけの彼らの怒声が響き渡り、何が正しいのかすらも微かなためらいにより消え去るだけに至り、浸る痛みもかけがえのないものであったのに、そこにあったはずの温かいものすら、邪魔に感じてしまうような過ちとの交わりに寄りかかり、遥か無知な煉獄と蕩けて結ばれ、延々と想起するエモーショナルなものが加速し、世界を押し広げていく。