昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

詩的な闘争


 空疎な物語を孕ます、詩的なオーガズムが、メモリーを消し去り、さらなる進化をとげるべく、飛び立つ。涙の色も濃いの、と理由もなく吹き付ける意味にふるえる君の小さな肩の行方を気にする。誰の悲しみでもない悲しみを埋め合わせるために私とは存在するの、と悲劇に満ちた感情のコイルを巻き、意識に拘泥し、或いは機械的な行動に支配され、動的なものに奪われる意識を傍観する自らを傍観するような乖離した青春を行き来する地下鉄の散漫な吐息をかきわけ、情念とは、ここでへだてるものを惰性に運び出すような連想を続け、ここで想定されるものや、ここで想像するものなどは、情報の中で淘汰され、ここで問い質され、追い出されるだけにいたり、そこで逡巡していることの矛盾に気付かずに期待感を孕まし、自らの複製品を愛するような始末のわるいナルシシズムに融合するような交友関係が生み出す高揚感などは、今を不満に変え、そこで空疎な理由を生み出しちぐはぐな思いをつなぎあわせるための接着剤的な恋人を探すようなあてもない旅路に平衡する意識的な俯瞰が空腹を癒やすためだけに日々に摩耗され、今に支えをもとめるほどに孤独にゆらぎ、自らの強靱さに気付かずに、気付いたころには、その場であたえられるものを、あたりまえのように食することだけに専念するような貪婪な者として、指定された意味の中にしか帰結できずに、その場での名残惜しさを吐き出すばかりで、ここに無駄なものを同封させ、無知なフリをして、誰かを騙す狡猾さを手にし、憎むことでしか、場面展開もできずに、その場でのうのうと伝統的なものを愛するような保存から、ここで補完され、修理されることだけが、あたかも確かなものを今まで形成し、そこで広がったものだけが、由緒正しく初々しいものだった、としいたげる先に思想は枯渇し、根幹をくさらせるだけにいたるような理想などは、希望にまでいたらず、用いた理想により、何かを徹底的に破壊し、自らの儚さにおぼれるだけのペシミズムによいしれることに痛みなど麻痺し、何かを死へと追いやることに起こる矛盾をかき消すためだけにためらわずに何かを傷つけるような精神性だけが、今と乖離し、回避し続ける己との矛盾との距離を埋めるべく、ベクトルを同じにすべきだ、と協調と同調は語るが、そこで距離をつめるほどに互いを恨み出す始末であるし、そこで闘争を続けるほどに、終わらぬ憎悪は、誰彼かまわず自らにも牙をむき、ただ破壊するためだけに暴力に従順になり、そこで語られる理想とは、欺瞞でしかなく、そこでしゃぶり続ける理想は、自らの幼児性を解き放つべく、そこで無邪気に壊すことだけが、自らを解放することであり、そこで懐疑的にならずに、ただ純粋な破壊だけが、人間を進化させたのであり、そこで生まれた暴力性だけが、人間社会を強固なものに変え、加算される暴力だけが、今を作り上げたのある、というエゴイズムこそを破壊し、そこで姑息に積み上げた理想などはリセットすべきであるし、そこに理性はなく、そこにしいたげられた者の悲しみを知らずに収奪され搾取され続けるようなものを打ち砕くべくコスモポリタニズムへと移行していく。さらなる意志の飛躍は、自らの力を倍に変える。俗悪な者が示す権威や権利や管理から離れ、徹底した意志で自らに移行していくことだけが、自らの意志に従順になり担う意味などは、今に義務をもたらし、意味を背負わせるだけにいたるのであり、そこでジレンマを生み出すだけの理想などは、理性を持たずに人間の権利を謳うほどに、人間から懸け離れていくのであり、そこで求められる権利などは、何かに管理されるための権利であり、何かに対する義務であり、そこで支払われるものを待ちわびる君の理想も、理性を失わせるための定型が生み出す体系により、形骸化する今をあたかも愛するように、と仕向けるための金銭であり、そこで卑賎な者が示す差異や余韻から因果律に反し、宇宙にも反し、ここで干渉するものなどは、世界を認識させるために無理矢理に迫る意味に引き出される卑近なものに悲観していくだけにいたるような闘争から、倒錯し続ける先に近付くほどに魯鈍な者に変わるだけの偽装をほどこし、そこで理性を失うだけに手懐けられ、そこで展開するものが転換期へといたらずに、同調し、譲歩し続けることにより、自らを見失い、自らを探すほどに、自らとの距離は生まれるのであり、そこで生まれる虚偽や、そこに現れるものによる矛盾や、従順なほどに傷つくのが恐いから、と妄想から生み出される不安が補完し続ける恐怖へと誘う強迫観念から、軽減されない痛みに麻痺していく苦痛から、通用のものとして崇められるだけの答えなどは、今に退行させるだけであり、そこでデカダンな者として生きるよりも、ここで十全なものとして確かめる愛だけが、今に間を生み出さずに今を阻めずに、ここで生まれるものだけが、物事の確かさを形成し、ここで軽薄なものを生み出す以前にここで未来永劫続くものが綴る物語だけが、物事に孤立せずに、ここで専横するものを批判し、ここで生まれるものだけが、物事の確かさを謳う以前に用いられるものに支配される前に前に乗り出し、ここで表されるものだけが今に苦痛を運び、そこで通用するものだけが、本質であるなどという勘違いを生み出すことを補完させるような文明などは破棄し、ここで新たな思想を生み出すためだけに私とはあたかも存在する。