昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

濁流

自己愛に満ちたビル群、愛は食欲が増すと君が叫んで、外見だけの街路樹がゆれ、銀色にかがやく銀杏ころがる夕餉、飼育されている人の群れが、誰かを責め立てていることが、世界を保つ秘訣なんだと、均衡も保てぬような恋の果てで、いじらしく揺れる完結が、はためいては、徒らに消費される過去をもいで、貪婪に食すのが、清潔である生活なんだと、画面ではさわいでるから、すべてを消して、静謐にゆらぐ波形に身を預け、風邪の倦怠感が、短絡的なイメージを包括し、終末論なんかを蹴散らして、正常なものなんてないのであるから、勝手気ままにいきどおるだけの生命が焦げ付く前に、逃げ出すべきだとは、誰も教えないし、恐れてばかりだから、身体なんか捨てて、真理をついて、つたない血を流したがる彼らのかけらがころがる憂鬱な深度や、季節的に折れ曲がり、埋もれる日常から立ち上がるための眠りよりも、闘争のために統合を目指しては、独裁者を次々と生み出すだけの理由が、システム化されたのが、社会か何かは知らないが、執拗に追いかける者は、老いにより踏みにじられ、同じようであるべきだと唱えるようなアナクロニズムから放たれて、印象にとろけては、絵画のように眠るのが私であるし、あらがう先に生まれる衝突により、強度を上げるのが憎しみであるからと、暗澹とした誰かしらが、しらみつぶしに罪をつむぐから、しあわせとは名ばかりのもののままであり、与えられるはずだと、妥当なものを愛し、悔悟すべきだと、宗教的なノイズを撒き散らす大気を突き抜けて、気だるいままに這い上がる姿が、トカゲのようだねと、君が笑うことが、慈しむべきものであるのかと、過去に語りかけるような女々しさに出頭し、過去に捕らえられるよりも速く進むのが光なのであり、光より速いのが、私であるのですと、途端に降り注ぐ雨が、誰かの涙に感じるようでは、何かに責任を押し付け、逃げ惑うだけであるから、どこにも行かなくとも、どこにでも私は存在するし、執拗に迫る理由は、理想を追い求めるから、乾いたままであるし、欲の奴隷のままなのかと、加算される原理は、加齢を恐れるがあまりに老いるのであり、経過することに義務を課せては、犠牲的な心理を生み出しては、神をねつ造し、神を仕立て上げながら、神と名付けられたものに追いつけないから、苦しむであり、名付けられたものの襞に飲まれ、逃れられない苦しみに苦しむことにより、苦しむことからは逃れられずに、次々に苦しむことばかりに定義を見つけては、真意を失い、理性を損ない、暴走する真理に隷属し、続々と訪れる憎悪を拡散しながら、シナプスを千切りながら、多目的に問い詰められ、自らを詰問する先に現れる苦しみの虜になるから、楽しむことを覚え、楽しんでいるフリからは逃れるべきなのだよ。