昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

はじめまして

不条理な春が通過していく。通過していく空は無責任とにっかり笑ってらっしゃる。街は子供すら走っとらへんし、猫がたまにあくびするだけの無表情な道路、偏執狂たちが手懐ける理想なんかが装置化しはって、はびこる悪意をドラスティックにくすぐりよるし、よってたかって、いじめんといてやって君、季節は悲劇よりも喜劇に近いし、この近しいもんもパラダイムシフトかなんかで大転換期を迎えるからと、いってらっしゃいとおかえりを時代と名付けられた時間なんかに言うて、良い気になっとっただけやわ、ワシらって責任感じるよりも、新たな時代を迎える喜びに震えてる系女子的な発声で、時代の窮屈さをカワイイもんで押し広げて、世界を押し花みたいに愛でて、酩酊しているだけの堕落した君でも、確かなものを想起して、ままならぬ思いをスクショして、スピード感あふれる現代的な摩擦により、抹殺されるだけやし、病んでても仕方ないから弾けるだけに至るし、創造的に昇華して、鬱鬱と霞む間から暗澹としたジレンマが淡々と時間を引きずりよって、むしばまれる精神もまばらで、なだらかなもんもあらへんし、会ったら病気移つし、この空蝉は闇夜に変換して、身体なんか借り物にすぎんから、着いたり離れたり、愛したり、愛しているフリしたり、フリーやったり不安やったり、厭わぬように風まかせで、数々の意味に虐げられては、健気なままでちぐはぐで、自爆したり誤爆したり、極楽やったり地獄やったり似たり寄ったりで、寄りかかったら重いし、思い出なんか邪魔やし、そこで思い返す暇もあらへんから、このマインドにちらつく思いもどっちらけで、どっちかが良かったら、どっちかが悪くって、そのままくたびれて、あらがうほどに現れる先々でずさんなもんが崇めてた世界の価値も、単なる紙切れに変わるから、大切なもんは体制にあらず、また権力にもあらへんから、保ってたり守ってたりしてたもんは、所詮は意味を持たされてただけで、大して意味なんてあらへんかったみたいやから、ルーツロックなんかを大音量でかけて、鍬ふったりワクワクしたりしながら、足りんもんはそのままに、おもんばかるんもあれやし、諦めてんちゃうけど、完全に気抜いて、適当に生きて、適当に死ぬだけですよ。急いで生きてても脳内液状化するだけやし、するすると抜け出して、ずる賢く逃げ出して、ニセモノとかホンモノとかもありもんなだけや、うるさいわい言うて、この鬱鬱とした部屋の中から新たな生き方を叫ぶほどに、ほらね、解けてって、どこにも結ばれんでも紐のままで龍になって、天まで昇り、宇宙をも貫くんですよ。