昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

萎れた足

バビロンをウォーキングするストーナーたち、乱立する倫理観により入道雲みたいなヘアスタイルで怒りを解き放す主婦たちのトキシック、紅蓮にたなびく夕暮れの空疎な時間こそが、何よりも至福なのだ、とこの詩情に反するような余韻がネガティヴにはだけて、惰性なエロスが絶え間なく波及され、去り行く動機がクヨクヨしながら、しなびた一帯に果てる苦労のようなものが余波を生み出し、奪い合うための動機にためらう一切が回転して、資本主義を回し続けるのだ、と胡散臭い学者がカタルシスに至り、理性などが吹き飛んで、不感症気味な君の連帯感がなびき、仮説がうながす接続を強要する境地に無神経に捧げられる本質などを崇めるための汎神論などが、凡庸な価値を果物に変えて、それを食した始まりの人間が云々と語るあいだにも、磔にされる曖昧な自己とアポトーシスと、凍傷により茶色く変色した肌と、仇討ちなどがたび重なり、神は誰なのか、とスピノザが鎌首を持って迫る窮屈な朝、利便性ばかりが加速するコンビニでの会話、胎盤がこぼれ、籠城する真理が保つべきものは、この世にもあの世にも存在しない、と此岸と彼岸のあいだに被弾した自己を再生させるための、機械の中に閉じ込めて、幼児退行的に伸ばしたロン毛が嬲る血色の悪い季節の折々に入り混じる愛憎などが、二人のあいだを引き裂いたとか、都合の悪いことは、世界や世間のせいにして、自己憐憫を続けるだけの力のなさを嘆くべきであり、その力のなさこそを超越するために、私たちは生まれたのである、とあらがう先に現れるものは、何か足りないものばかりであるし、君がうなだれているあいだにも、誰かが勝った負けた、と儲かった、儲かってない、と勝手気ままにうながすような奴らがひしめくし、それに便乗して批判している私も踊らされているだけであるから、踊ることはもうやめて、ひたすらに静謐に鎮座し、制限もなく世界を超越し続けることだけに専念するのが、私の役割である、と。