昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

まやかしからの解放

絶えず苦しむべきだ、と促す奴隷的な箴言などに騙されずに、何が厳しいだとか、誰かを支配するためのおこがましいエゴを迎合せずに、ただ与えられたもので喜ぶことを辞めて、制限は無視して、蝕まれる後先に磔にされる昨日が、仰々しく疑うすべてに対する憎しみの数、散らかった意識に降り続く雨、やかましい刹那に加速していく理由から避難して、難癖つけるだけの恋人や友人を破棄して、たび重なる痛みの隙間から現れる一筋の光に照らされ、ただただ浄化されるような澄んだ青空、新春だから誰もいない朝、カタストロフを飛び越えるウサギの足、未熟なストーリーを書き換えて、疎ましい正義なんかを超越して、歓喜の最中うずくまる空洞と同化する少女やら、焼け爛れた過去を抱きしめ、過去に取り残され、逃避し続ける先に心許ないままの君の教条主義や、無表情な冬の景色や、ふりかけられる海苔の香りや、誤魔化し続けて逃げ惑う思いが刹那にまとわりつき、途端に消去される重いから離反し、輪唱される神話に絡まるモラトリアムや、編み込まれた毛糸の数だけ、愛が備わるのか、と加算される原理を妨げる厳寒、わずかな証拠をここに残して飛び立った鳥、統制されるだけの今に分散していく意識やまやかしの数、時代性の演出を見破って、見誤ることなく、生じる所以がここで引き取られ、悪を植え込む正義の道具と化する。意識のグルーヴを出迎えるための最終駅、粉骨砕身して祭祀が促すエゴを取り込んだ神を超越して、無知なままでその場から飛び立つ。制限すら持たずに擦り寄る余韻を遠ざけ、倦怠感なんかを掻き消し、消し去れるだけの思い出を損なうだけのためらいや、漂う意味から旅立ち、どこにも行きつかなくても、たとえ孤独な旅路であっても、嘆くこともなく、突き進む。