昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

なりすまし

キルケゴールの背中や、ゴッホの靴下、よれたカーディガンを着て、夜との軋轢を超越するマザーテレサ、少年たちは、銀河団から星の余力を集めて、それで星間をスケートボードで駆け巡り、カジキマグロの宇宙船や、意識の旋律や、萎れたハイビスカスの山、朴訥としたコギトや幽霊、憶測ばかりで独善的な君の神と皮、被害者意識を加速させて出来た道、摩耗していく現時点と、顕になる跡形や、骨と和解、本能とゆらぐ青、湿度とお守り、心の独房と猫と日差し、ドレスアップされた意識を補完するための器としての君、近影に迫る偽物の豊かさよ、失言の甘さよ、と与太話に耽るアリストテレスとの談笑、恒常的な思いの凌辱、咳が止まないアリクイや、整合性を放棄した数学者の根拠が死滅したが故に暗くなった夜、のさばるセオリーと、数多の苦しみの法に対しての無知さに嫌気がさしたし、さしたる意味もなければ、喉につっかえた餅のような恋心により窒息した予感、死を補完するための器たる宇宙空間の広大さに、背骨を折るほどに平身低頭し、頭をすりつぶすほどに感謝を地面に叩きつけた、その時の寂寞に迫るカオスの固い面では、どんな力がどのように加わっていたかを述べよ的なテストの問題の話、最たる意味も復元されずに、説明すらも不潔なままで壊れているし、摩耗し過ぎた過去の頭を捨て、新しいチタンのものに変更して、もう2142年だから、正義なんて捨てて、新たな恋とお出かけするの、と語りかけるラジオの女の歌声が、のっぺりと顔や鼓膜に張り付いて、身動きがとられなくなったよ、と泣きついてきた君の理不尽な表情や、症状や、焦燥感、数々の保管所、不眠症の聖母。