昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

新品の朝

ロディアスな日々から溢れる群像、煌めく夜の街、どんな状況にも耐えるような強靭さを手にしてハロー?ハロー?と嘯く。失った武器とメロディー、彼の風と彼女の枷、世界は神話に縁取られた避暑地みたいだね、と、妬むことなく溶け込んで、羨むことなく混濁して、私怨がからまる退屈な朝に屈折していく家庭的な災難や悲しみに澱んだ白い部屋、閉塞的な凡庸さにより、境目もなく愛してほしい、と、つぶやいた後先には、紊乱な唱導やらが巻き込む愚かさと実像、不確かな無と、際限ない罪やまぼろしを濾過し、散漫なエゴをコーヒーに変化させ、展開し続ける意識の波形、ぼんやりとした輪郭を孕んだ理念、粛清を繰り返してきた人類の爪痕、あいまいな犠牲を応用して出来た理念のようなものを超越して、厭世観が孕む寛容さを放棄したような支配的な観念がもたらす畜生な論理、血肉を加えて、電子や陽子や、出来損ないや、自尊心を破壊するまで監視され続けることにより生み出される値、災厄や撹乱や猜疑心や、数多に送付される安心の声、交換や闇夜や、相殺されるだけの日々の中で、生きるとは、狡猾さやなんかが必要なわけである、と、語りかける教科書の中身の閉塞的な自己、その自己を超越するために、何にすがるわけでもなく、分け隔てなく何かを愛するような寛容さを孕んだ春のねっとりとした陽気、機械的な記念日がもたらす退屈な交渉の最中、償いなどを謳うだけの誰かの罪から遠ざかり、自らの静けさに帰還する。