昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

包括

しなやかな指先から生まれた世界、ゲーテの記憶を漁る家庭的な煙突、君とあらがう全ての装置たる君以外の全ての亡き後、無により脱色した黒髪の忘我、補完されるべき今の一切の喪失なんてものは、大したことなくて、全ては、上書き消去されるものなんだよ、と、かき鳴らすギターは、自由自在で、時代が何だの、と、うつつを抜かすことはしないで、屍と化した後も、情報の洞穴に放り込まれて、混濁してしまうのであるし、きな臭い話ばかりだし、発信源は不明なままであるし、あらゆる全ては、ゆりかごの中で誇大妄想を膨らませているだけに満たないことに気付きもしないでいるし、阿吽の呼吸も、故郷を失って、息がし難くそうであるし、現れる全ては、認識することにより、その全てになるだけであるし、溶け合った瞬間にまったりしたりすることを知らないで、大人になったりするから、何かが足りないままであるのであるし、あらゆる全ては、ぼんやりとした余波、途端に翻す今が何万通りにも実現可能な事実がたくさんあったのだ、と、妥当な君の半径から凡ゆる差異が生まれては消えていくし、森羅万象も、満足にサイクルを繰り返せないでいてばかりいるし、いらないものばかり増えてく一方である。