昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

噛みつく

自尊心ばかりのガラクタの猿、意識に蓋をして、主体性も取り外して、まじわるための欲望的な切片を侮蔑する性悪説が並べたキャンドルを蹴散らす。そんな最後が良い、と涅槃に逃げ込んだ君のルーツを取り除いた屍、ねじ伏せられるための昨日のためらい傷、囚われることなく離反し、様々な思惑を叩き切り、跪くことなく痛快に笑い飛ばし、あらゆる偏見を変換するための機械的アナグラムと対峙し、シンパシーなどを謳う低劣な統制などに見向きもせず、向き不向きが云々とたちまちに消費される思いががんじからめになり、何もフラクタルではなくなり、法則的なものの恥部と化するだけの曖昧な希望や理想を駆逐し、消費的な連中の論調や、浪費するだけに至るような関係性の中で謳われる制度や成否を飛び越え、安易な欠如の最中に悶える意識的な最後や、瀕死の今に訪れるレジスタンス運動や、誰もが同等に幸せであり不幸でもあるのであり、ありとあらゆる切片に集まる力が対立を続けては、健気さを損ない、世界的な道理と動機の中に位置付けられるものに手なずけられるわけもなく、ただ分け隔てられるだけの閉鎖的な試みの中で不確かである存在を追いかけるほどに現れるジレンマに悶え、倒錯し続ける精神が惰性で描く青春のようなものから逃げ惑い、慢性的な痛みから抜け出すために奮闘し、この継続的な孤独をも孤高に変えるためにあらがう先々では、気配すらなくなり、スラスラと語られる正しさも嘘に変わり、そこで塞ぎ込むだけに至るような曖昧な理想を蹴散らし、散々な現状にこそ、何か愛すべきものもあるのか、とあらゆる制限が生み出すものの制限を飛び越え、大量に流出される力が際限なく現れ、あてがわれる罪に関心を向けないで、ただ刃物のように、あるいは羽ばたくだけの無辜な翼を用いて、恒久的に飛び、故郷なども持たず、帰ることには見向きもしないで羽ばたき続ける。

生命の証拠

命は簡単に扱えない、命は誰かな何かの代わりになど使えない、命とは、ぞんざいに扱われ、使われてばかりするが、命とは、そのようなことを気にも留めずに、ただ行き過ぎてしまう。秋はなんか空気や気配や景色にゴールドをたなびかせ、憂鬱なんかを吹き飛ばす。冬はなんか比喩に塗れ、簡単に意思や意識や景色を包括する。あらゆる軽薄な理想を手なずける国家に反して、あてがわれた自由には中指を立てる。ただ裁かれるのを待つだけの私たちはうずくまり、謳われるものに流され、うなだれてばかりいるのは辞め、輪唱されている言葉に促されもしないで、即座に現れ思考を支配するために現れる宣伝なんてものを破り捨て、取捨選択しているようで、それは単に選ばされているだけに満たないようなものから逃れ、自分の行いに責任など持たずに、持ち合わせたものの間で堕落するだけに過ぎない関連性に連動し、あたかも自分が連想したことである、と勘違いに至り、今を簡単に支配するために迫る価値が意思を奪うためにためらわずに占領するような忌々しいものを持ち込み、現れる悪意に抗えずに、飢えるだけに至るような闘争の果てには、独裁が生まれ、ただ奪い合うような企みの中で即座に入り込むやましい思いに虐げられ、健気さも損ない、ニセモノの使命感により新たな企みが次々と生まれ、求め合うものが、愛すらも損ない、そこで構築される悲しみにすがるだけの君は泣いてばかりいるし、そこで理不尽な畏怖に苦しむよりも、威風堂々として、告発なんかにより、世界はひっくり返りもしないし、みんな無関心だし、私も昔話に閉じこもり、すべては他人事のような日々から逸脱して、脱力感をたずさえ、たび重なる痛みを超越し、ちょうど良いものの中で、どこにもとどまらずに、革新的なものを謳うよりも、このままでも良いのだ、と強がる。

荘厳な管理下

聡明に時を織り込む君の指先、希望を記号に変えて、それを売るだけで生活にしていることが罪なのだ、と打算的で他愛ない君のロマンスが死滅させる生物や生活たち、価値観などは勘違いが生んだ幻にすぎないし、過ぎたことをいつまでも引き摺るばかりのグルーピーたちが騒ぎ立てるホテル、迎合される真理を引きちぎる大きな手、抵抗を加える先に現れる高尚なさえずり、みごろしにされた君、罪滅ぼしのため人工的な愛をばら撒く焦土、機械的に回転する意識が吐き出す惰性な言葉が雨のように降り注ぎ、未熟な脂肪につつまれたパイみたいな苦しみを引き取るだけの君の虫歯や、心の端々に付着するガム、風葉に和み、子供たちの騒ぐ声でゆれるガラス窓、逍遥するゆびさきのロンド、形式的な悲しみを歌う幼気な君の症状、悠遠を嬲る君の艶笑、この世とは大きな牢屋であるという短絡的な考えに籠絡されるより、この世とは母胎であり、まだまだ幼いが故に、誤りもたくさんあるのであり、強要される理想により脅迫的に答えを引き出す最後の人間たる私の、この命などは瞬間的なものであり、持つも持たぬもなく、ただ過ぎ去ることだけに強度を持ち、あらゆるものはすぐさま朽ちるだけであり、まさぐる痛みの果てに偶像を偶然に愛していただけなのだ、とうなだれている君に手を差し伸べるような悪意に似たようなものが妬ましく迫る。このたまたまの命を跨ぐ小さな足、面影を消し去る消しゴム、散々な現状を愛でるための寛大な心を睨みつける君の心の中の狂騒、手なずけられないために裏切り続ける私の焦燥感と、強風にゆらぐ窓の外の木々、循環する血と、寒気により縮む身体、難儀な道にころがる銀杏、艱難辛苦や、還元されるニセモノの妻たちの理知。

無垢なままの主体

茫漠たる所以にからまる結末にねじ伏せられたコードと化した人々がたちまちに接続され、同じような憎しみを内臓に転移させ、惰性に紡ぐ意味の端々に伝わるものが木霊し、意味に位置を与え、そこに意思を与えることにより、今に迷うばかりであるために与えられる満足などを飛び越え、朴訥であることに専念し、何も持たなくとも私情を攪拌させ、ここで持ち合わせる答えを超越して、蓄積されるエゴにより荒れた肌をかかえ思春期のイラつきや、ギラつきにより羽ばたく一切が悪魔みたいな理想をかかげて、あらゆる悲劇を透過させるための供儀として自らをささげ、老いるのが怖いの、とうそぶく彼女の悲劇的な融解により、国家とは裨益することもなく、彼女の四肢をもぐための悪意だけを持ちより、善意を率いて君を売り捌くために丁寧に切り取られた足指のアンニュイとした陥落、ラクシュミー踊る刹那にドクドクと唸る心音、占うだけの祈祷師たちを蹴散らし、信じるために祈ることを辞めて、崇めるための神を作らぬように、と有する価値に寄り添い、カタトニーに陥るだけの原理に反し、夥しい接続により歪んでしまう理性が用いるエゴにより後続していく意思を持たない連中の満たされない思いに続々と迫るニセモノの起因などにより、憎しみを産んでばかりいる世界の子供であることを辞める。迎合される罪に備わる普遍性が制度に押さえつけられ嘆いている人々を嘲笑う。自分たちの首まで自分たちで締め付ける先には、何も良いものも新しいものすら生まれずに、ただ権利を奪い合い、権利ためだけに生きるような連中が求める一時的な快楽により、すべては破壊される。

何も残さず

途絶えることない真理がぴかぴかに光って、貧寒な私たちにもぬくもりを授ける云々と散々な現状を超越するために、何にも依存しないで、ないがしろにしているだけの主体に齟齬する者たちの闘争が延々と続き、つたない思いが消費され続け、モラルなんかを持ち出して、脅迫的に迫る輩が謳う排除や、サンディカリスムなどが用いる集合的な闘争の快楽や、懐疑的な個人主義を横柄に広げる私が墜落し続ける先では、絶え間ない痛みが敷衍し、普遍性などを有する精度の端くれや土塊が融解する判断などにより麻痺した精神は、不純なリズムに踊らされ、恒久的に反復する装置の中で少しずつズラしていく衝動性や、理不尽なままに食す現実的なものや、問答を繰り返し、過信ばかりを携え、疑心暗鬼になり、信じることすら忘れ、心酔してばかりいるような間柄に妄想は進み、拙い現状を機械的に加速させ、宇宙からはみ出し、自分にすら執着しないで、ニヒリズムを超えて、短絡的なオーガズムの末尾から解き放たれ、時折にすがりせがむだけの忌々しい戦慄、夜が明け誰もいなくなった後始末、原型も保たずに崩壊していくのが私の定めであるし、ここで明晰であっても、所詮は答えの中にとどまり、何が真実かすらも見えなくなり、加算される日々の不倶戴天の敵や、紙幣価値すらなくなり、災いが降り注ぐぞ、と脅す者の欲深さにより何度も滅亡させられてきた世界と呼ばれている世界とは、世界と語られた途端に自分の手からは離れてしまい、そこで用いられる世界とは誰かを利用するための便利な呼び方や呼び名や声紋やまやかしであるだけの証拠すらすぐさま失われ、そこで同じような動機やひらめきをひけらかすだけの思いの滓や、感染していく罪の意識などを同じ箱の中や墓の中に押し込み、無理やりに従わせているだけに満たないものを、世界などと名付けた途端に自分とは損なわれ、数々の過ちを吸い込むだけの掃除機になってしまい、溜め込んだ汚物により爆砕してしまう。

襤褸

報復を謳う鳥たちの皮肉が引き裂く関係性に理論などはなく、底で朽ち果てるための天命などを用いるような国家的な欺瞞により、不満足というウイルスをばらまき、製造されるだけのそぞろな意識を展開させるための教育などにより、魯鈍になり、担う意思になれ合うための構造を生み出し、あらゆる意味を踏み台にしてまで、ここで永続させられてきた意味の中でしか働きを加えられないような延命から引き取る価値などにより、既得権を与えられ、それを守るためだけに摩耗する民衆すらも成り行きを見守ることすら出来ずに互いに軋轢を生み、摩耗した関係で緩んだ意図や紐が垂れ下がり、あらゆる罪などを引き合いに出しながら、今を恒久的に苦しめていく。詩的な栞を意図的に挟み込み、気だるい様子に沈積するニヒリズムを超えて、斜交いになる意思の真ん中に現れる力の均衡を保つためだけに、この生命を意地で引き伸ばしているに過ぎない私たち、だ。誰もが予測出来るような毎日の謀ることによって現れる猜疑心の道具になり、偶像に駆逐され、自らを損ないながらも、続く毎日とは、なんと味気なく殺風景なものなのだ、と哀れむことすら現れることもなく、ここで示されるものに戦き、締め付けられるばかりである。メタファーの勝利を祝う私の妄信、ミメシスに苦しむ彼女の慟哭、カラカラに乾いた夢が陰湿さが今をカテゴライズし、惰性な日々の中で高圧的に迫る連中から逃れ、すべてを飽和するために働きかけ、事実や所以が食い込み、無駄な言葉を刈り込み、無残に消えゆく至福にゆらぎ、幽遠な私情との対話を綴り、入り組んだ畏怖や、言い訳がましい君がしがみつく神のような輩なんてものに贖い従うから、この世界とは正解にすら至らずに、今に支配され、視界を失い、さまようだけに至るの、だ。

残り物の君

ポケットには二十円しか入ってなくて、心まで寂しくなって、街中ではしあわせそうな声がマスクの中で遭難してて、みんなは、しあわせそうなフリをするだけで、何かに縋り付いたり、誰かと生き別れたり、サヨナラも言わないで立ち去ったり、去り行くものを睨んだりしながら、しなびた今を孤独と共に抱きしめて、帰り道すらわからなくなって、分け隔てられるままに孤立して、孤高なままに書き連ねて、寝返り打って星をつかまえて、掴み損ねたものを強請ったり羨んだりしないで、どこ吹く風とふくよかな現在に乗っかり、浮かばれない今を恨んでも仕方ないから、しがない今を生命を与えるべく詩的に昇華したりして、知らない今も、通り過ぎてく人ばかりだし、何かにあふれていても、触れていなければ、そこには何もないのと同じなんだよ、と歌う幼児を尻目に、したたかなカラスたちは健やかな翼をはためかせ、悪意を詰め込んだゴミ袋を漁る。偶然ばかりを信じ、まかり通るものが現れるものの中で迷い、漂う意識は縁を求め、かかずらう者どもが徘徊し、誹るだけの人々が巣食う世界の中で意識的な汚穢をためる。たびかさなるエゴにより浸透する痛みを囃し立て、終わらぬ痛みの奴隷になる。言い訳がましく生きるよりも、ここでは綺麗さっぱりと忘れ、行方をくらまし、くたびれた街で胃にたまる揚げ物、現れる誤字脱字や、クラクションの雨、遠ざかる景色の間に現れる数式、真偽をたずさえ、淵源で跳ねる鯉や、結末と上限のあいだに備わる理由やナワバリ、内面世界で滑落する道理や、不明な感染経路、鳴り止まぬ警報機や、中途覚醒を繰り返し、噛みつかれた右腕の痕や、あらがうほどに増していく哀愁のようなものや、開き直るほどに強靭になっていく私の高揚感や、射幸心を煽る行進の音、熱暴走を繰り返す機械たちのハツラツとした表情、情景に現れる懐かしい匂い、羽交い締めにされた数十年間の苛立ち、この言い難い苛立ちのようなものが浸透し、やがて聖なるものを携え、善悪を超越するような革命を自分自身の内部で巻き起こす。凡庸な欲望が空をにごらすの、と嘆く君の横顔、ボブカットの髪揺らぐ優雅な午後、制限の中で蝕まれる面影の落差、さんさんと照りつける太陽から感じられる愛とぬくもり、無知ゆえに嬲る後先、伝記の中に閉じこもり、策略ばかりを続ける人々の墓地で備蓄される憎しみの正体。