昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

かすむ記憶も幸福

記憶は数億の孤独を捕まえ、
大量流出していくほのかなしあわせも、
処刑台や、ガス室や、屠殺場に運ばれ、
ほころぶ幸福が、血の通わない笑顔で
倒錯していく現実から、星の数ほどの
願い事が簡素な理由に捕まり、
自らの窮境に携える論理に首を絞められ、
消えゆく意識の彼方で受理する幸福も、
去りゆく形状に吐血を繰り返し、
偽善的な理由にたゆみ、
消え入るだけの本質に真実を唾棄していく。