昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

報いなどいらぬ

むちむちのカラスが鳴き叫ぶ冬の死との近さと、忘我になびく血なまぐさい人の群れ。報いを謳う神々を引き連れる動機が喜悦を重ね、抱えた粒子が宇宙線と混ざり、退屈な午後を粉々にし、跡形もなくなるだけの堕落した君の幽遠に押し広げられる襤褸と化した過去。超然として今を見つめる。先々では乖離する出来事が、理解されることもなく、瞬時に散りゆく。そこには定めなどはなく、でたらめに儚く散るだけであることに関しての考察を続け、つたなく入り混じる空気に反響してゆく冬は端々で物憂げ。啓蒙とは、この情感を昇華させるような感性に備わるのかと、偶感により、散り散りになる意識は蘇生されずに、ただ無残に散りゆく過程を楽しむ。感情に伴うものに弔われ、群がる最後に弾ける火花より、時系列は燃やされ、些細な出来事がかかげる終末論の末尾でジュクジュクになる傷が治るのも待てぬから、心はがらんどうなままで、過ぎ去る疑念のはざまで、禍々しいものが心でうごめくままに挿入される歌を受け入れ、あたかも自らの意思で歌うかのように、歌わされる。関わるほどに増える生傷と傷跡。無理やりに縫われた君の傷を食む音に配置される愛が不在になるからと、乾いた空気と間接的に現れる私情と、退屈な発明が叫ばれるほどに、身体とはバラバラになり、誰のものでもない物語と、そこかしこで素っ気なく結ばれる日々との距離を埋められずに、君はまた自らを傷つけるのである。純朴な遭難者がうたかたに帰属する栄誉なんかを捕食し、誰彼構わずに傷つけるアイロニカルな路地裏で論理も衰亡して、真理すらも喪失したんだと、自堕落な枷を嵌めるために、はびこる悪意を頂戴しては、散漫な儀式により抽出される思いに駆られては、懐疑的な日常に住まう厭世観なんかを破壊し、はびこる愛が瞬時に美化されては、意識に屈従するよりも、より良い価値が謳うカタストロフにより、ロストしていく真実を透過できず、ただ徒らに消費していく資本主義的な高揚感により、誇大妄想を加速させ、自らの虚しさを埋めるために否定するような考えを乗り越えて、そこにあるものに抗ううちは、真実などには届きもせず、そこで滞るだけに至り、逡巡している合間に、あいまいになった物事の家畜と化して放牧され、幸せのように勘違いさせ、麻痺したままに屠殺するだけの人々の残酷さには気付きもしないで、しなびた永遠に紡がれるまぼろしを連綿と愛しているかのように可能世界での実存を捨て、存在のあいまいさを破棄し、さらなる高みへと目指す。