昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

加速

チェック柄の汗がこぼれる夏、教師たちは退屈な日々に血合いをほどこして、おぼえる必要もない過去を捨てた母たちの故郷、差異すらもなくなった大人たちの狩り場、さびついた遊び場もウイルスに侵されて、痛む数多のキズの味や、君との逃避行によって、ばからしい日々に虐げられずに、健気に飛び跳ねるウサギたちの慟哭、同封された罪を送り込むための箱である君の偏執した思考の中で溜め込んだ欺瞞やギミックなんかを超越して、薄利多売であるために保たれる流動的な流行に反して、こしらえられた意味からかけ離れていけばいくほどに魯鈍になり、無神経になるだけの馴れ合いから放たれて、配備される間で配下になり、なじむほどに詰られる先々で疎んじる風景になぶられた犠牲的な彼らの疑念により、彼女たちは暴力的なポリティカルなものに抑え込まれ、自らの悲しみを悲劇的な散文でかためるリリカルな商法により酩酊してゆく。情報に裁かれるだけの彼らの正気を保つためだけに現れる闘争に統合されるほどに孕む罪が追憶を傷つけるほどに痛ましい現実の中で浅ましく報われることばかりを謳うようなものすべてを信じず、自らをも疑い、次々と変化して、何事にも捕まえられないように仕向ける。世界を覗く猫の背中、融解してゆく記録の端々に迫る過去とカオス、ドラマチックなエゴが迎合する愛にすり寄る暗い顔、現行に迫る成否がニセモノの価値を謳うだけのジレンマや、誰もが最初は愛していたのに、すべては憎しみに変わるまでのプロセスに下り、空虚な今を無作為にむさぼるだけの日々から離別し、シーンにうごめき、自らが自覚するものに肥大化してゆく悲劇にまつわる事柄のことごとくに統合されてゆくままならぬ思いが実体すらなく今にくたびれてゆく。