昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

スラスラと嘘をつく

奇跡を伝える通り雨、荘厳にゆれる君の髪、紀元前から愛を伝えたペンキが剥げた窓、君が自覚する以前から、その愛とは復元可能であったと、原生林の中で騒ぎ立てる鳥たちの淫らな色、与えられた概念によってねじ伏せられてしまう我々の苦しみなどは、些細なものであり、そこで繰り返されるものに嵌められた枷なんかを外すために、ためらわずに与えられるメタファーが折り重なり、輪唱される真理により雲隠れする存在の不確かさに再現されてゆく日々の密度や、見間違えるほどに美しくなった君の懐かしさが加算されて、際限なく現れる印象により施される思いにより、ここでの価値なんてものは、瞬時にひるがえされるものなのだ、と加算される日々が参画するものにより、くたびれる今を苛むだけの君の苦痛や、そこで全体主義なんかに陥るために謳われる主義や理想なんかが、今をリセットし、そこで制圧させられるために用いられる性悪説かなんかに苦しむための日々にためらいが生まれ、互い違いになる思いが、達成感すら味わえずに、ただ互いを恨むためだけに語り合った確かな愛とは、所詮は愛と名付けられたものをあたかも愛しているかのように確かめるための愛とは、愛しているように仕向けるための勘違いや、何億通りもの数学的な予知や、要因なんかがキラーのように迫り、追いかけられる君は、自らの衝動性に苦しむばかりで、機械的な気配が軽薄な理想を伝えては、体たらくな今に帰巣する気配が形容するものにより改善もされずに、似たような思いを再現するために利用されるいびつな世界の中で、互いを恨み、または求め合うことで、まともなフリをしては、ささやかなしあわせを謳い、報復を繰り返す小さく未熟な世界の中で際限され続けるものに支配されている。