昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

良き良き

楕円形の夜空がロマンティックだね、と消費的な彼女たちの敗北感が増幅し、幸福なんかを超越して、飛行機に乗って天高く恋に落ちるようね、と真理の手形を集める天狗たちがタータンチェックのコタツに入って蜜柑を食べる夜、人工楽園の瘴気をまとい、卒倒する意識を食べる蛆と和解したのにもかかわらず、均等な意識を食べるワニとは和解できずに食べられる身体を収めるための箪笥に住まう淑女を殴りつける。心情が凍死するまでの軌跡、子供たちは夢の中で爆弾を育ててるし、涙腺を交換して、君の涙と私の涙が同じように流れた後には、こころの痛みや汚れなんかも綺麗に洗い落とされ、些細な理想が囁く動機なんかが偉そうに示すものなんて無視して、自らに籠る。マンドリンの後ろで唸るマントラ、チューンアップされた子犬が吐く誘導ミサイルや、有形のものを瞬間的に無にする海月、ねじ曲がった施設から上がる黒い煙、ふざけた意識でたどたどしい未来を従えては、ガサツに君を愛する先には、行方不明になった人々の荒んだ言葉が降り注ぎ、悲観するだけの君が散漫に愛した季節が朦朧として、規律なんて守りたくもないし、キラキラした奴らが破壊する日々から抜け出して、惰性にうごめく真実が羽化するまでの筆跡が、世界を綺麗にするまでの数学的な官僚たちが締め付ける世界と名付けられたものから離れて、新たな意思をつむぐ。急ぐばかりでもたつく足、つくづくに寄りかかる打診する者どもの卑屈なサイン、印象を蝕む恒常的な憎しみを補完するだけの国々の摩擦、誰が統治したってお家事情は変わらないし、相続するものは、想像するものにすら税金はかかるし、関わるほどに無様な日々を書き写すだけの堕落した連中が求める連帯感にはリアリズムなんてものはないし、すべては幻想であり、現実ではない、と捉えることにより、あつらえられた真実を破壊して、新たな事実を生み出すころには、新たな支配が生まれ、誰かを抑圧し、統治するための法が次々と生まれては、奪い合うだけの日々に堕落したからといって、誰が助けるわけでもないし、誰も助からないかもしれないし、誰もがもたらされる苦しみに屈従して、汚辱にまみれた日々は、異物感をかかえて、かけがえのないものすら掛け違えたが故に、愛していたはずの君ですら、汚いものに思えてしまう。