昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

颯爽と朝

銀河を泳ぐ恐竜たち、獣臭ただよう犬の毛布、寒空の下、恋に落ちたふたりのエチュードが嬲り、金利手数料を謳うコマーシャルの中に入り込み、昼になれば、昼ドラの中で平凡な飯を食い、思春期の彼女たちのスカートから流れる轟音や、彼らが見境なく誰かを支配したがるだけの欲なんかにより、この社会というケダモノは成長したのか、と吐き気をもよおし、人間社会では生きた心地はしないから、君のセーターの中で眠りたいという欲だけが愛をそだてるのであるし、大義名分なんか捨てられるし、いらないプライドに振り回されることもないような愛と結婚したいのであり、退屈に切り売りされる不安から逃れるために引き伸ばされる幸せを売り物にするような奴らに指図なんかされたくもないし、決めつけられるなんてことにはウンザリするし、君が幸せだろうが不幸せだろうが、一切わたしには関係性も関連性もないのだろうし、野ざらしにされた身体が氷点下の最中、凍りつくまでの時間が効率よく過ぎ去るようになったら最後、この命は退屈により体系化され、退屈に食い物にされ、選ぶよりも、選ばされることにより駆逐される。人間なんてものは、トマトジュースとカルピスが身体に流れて出来ているものであるし、あらゆる変節を飛び越え孕む夢のようなものが現実である。象徴的なものの根源なようなものに毒づく波形、経過していくほどにわたしたちは立場を破棄して、ただ愛にまつわる季語をむしりとりながら、その愛の果肉をむさぼり、理論的に早熟で、相続するだけの価値が生み出すカタストロフや、朗唱される真実によりためらい傷が柱に刻まれ、自己という家は崩壊寸前であるし、前衛的に報じられるニュースの羅列を繋ぎ合わせては、転嫁し弾けていく時系列の余波に飲まれる前に、走り去る衝動性だけが、何か生きているような感覚を今に伝えていく。