昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

高尚な歌

犬歯を研いで見つめる月、有用な史実に絡まる景色や、正気すら保てぬ人々のぬかるみに嵌まり、はびこる真実を加速させる無秩序な遊星、短絡的な悔悟を促し、運命的な滑落を続けて、続々と現れる恨みつらみの道具として、偶像崇拝の傀儡と化すだけのあいまいな世界の経路、軽薄な論理を携え、浪費されるだけの人間として、散財を続けるだけの忙しい人間として、あらゆる悲劇を謳い、緩慢な理想を携え、食い込む現実に飲み込まれ、混濁する意思の先で囀る声がこだまし、紅葉の裏に隠された慈しみや、いつか染み入るものが、物語をガチガチに固め、甲斐甲斐しく謳われるものが、朦朧としては、寂れる景色にさんざめく道理や、理解からも乖離し、ひとり侘しく募る思いの丈を測ることもしないで、ことごとくに現れる絶え間ない物語が加速して、意思の枷を外して、ロマンに沈み込む昨夜、無意識を駆け巡り連動する一切が規律などを超越し、延々と染み入るよろこびや、メタファーなどがピーチクパーチクとさえずり、さんざめく原子や、記号の海を泳ぐ彼女のノスタルジーな虚空や、人格すらも定められずに、徒に消費してきた数十年間や、安易で簡易的な結末にそぐうものなどを調理したりして、支配的なギミックが謳う散々な理由に孤立したりして、天命や天涯孤独や、コントロールや混沌などが入り混じり、陰鬱な消費衝動に砕けた骨や、堕落したフラクタルな感性や、精悍な羊飼いの背中や、穀潰しの蚤や、律することすら忘れて寝そべりフリックし続ける手や、複雑で幼稚なファシズムがズンズンと重低音をなびかせ迫る深夜、瞬く間に飼い慣らされ、かじかむだけの動機は、誰かのしあわせを奪ってばかりいる。