昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

去り行く

無くした感情を拾い集める崇高な彼女の背鰭、乱立する化粧品の上で串刺しにされた蚊の子、虚空を撫でる品位が、いつしかの寛容さを手に入れ、陰鬱な肖像にかさばる動機が、神経質そうに固まる余韻が、真実を圧縮して、腐乱した道理が見せびからすものなどは、所詮は誰かを騙すためだけに備わる思いが度重なる罪を認め、狂気の境域に信心されるものが迎合され、いつくしみなどを伝える動詞がエゴを吐き出し、白痴な論理が軽率な思想を束ね、革命とは、自分たちのもののように綴る意識が、儀式的な諍いを生み出し、今に侵攻する罪が新たな罪を培養し、罪の意識などを植え付け、生きにくくさせ、あらゆる普遍性が展開する退屈な欺瞞に締め付けられ、健気なほどに現れる諦観に支配され、今に歪な信念を巻きつけ、身動きすら取られなくする。統べるジレンマの数、うごめく大蛇のような憎悪、支離滅裂なプロットをつなぎ合わせ、あたかも正しいように仕向けるものにより独裁され、去り行く試練や、刺激的な多幸感によりむすばれた夜、蓄積された苦悩を過剰に摂取して、新品の今日を盗み取る彼らの黙示録や抑止力、高圧的な太陽から逃げまどい、しどろもどろな昨日から飛び立ち、自由に極まるのが、宇宙的な法則であるのか、とデタラメな彼女、緻密な憧憬に住まう魔女、試験管につまった憎しみの数、蓄積される言葉が波及して、この世で懊悩した季節の結滞、犠牲者たちが腐乱して、備蓄される苦悩が世界を覆う時折にひずむリズミカルな焦燥感、安易な結末に記号化される動機がドラスティックにからまり、一貫した余韻から現れる祝福や至福などを一斉に放ち、懐かしむ道理が加速し、悔悟を謳うだけの意思が殲滅して、戦利品を寄せ集め、相対する動詞が妊娠を繰り返して、陰鬱な焦土から解放され、青春にまじわる精神と迎合と嗚咽の間から現れる凡庸な曙光に吸い込まれ、宇宙の外に飛び立って行く。