昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

まばゆい

古着を着て、大詩人のように歩く。煽る月が睨みつけるから、と走り回る九月の風、真理を飛び越えた暁月に現れる慟哭、有用な史実にからまるバンダリズム、離散した家族の身体を集める旅に出かけ、シリウスが消え去った後から、現れたのが、ごく自然が愛だ、と嘯く君の失意、ヒノキの香りと失意、怠惰な猫に乗り、豊かな思想をたくわえ、こじつけられたものから解放され、不倶戴天の敵や、提携された罪や、定めもなく彷徨う街で、ずっと待ちぼうけで、バラバラになった感情をぬい合わせ、本質的な意味から溢れ出る膿みや、運命論的なものに適応するために、静謐に居残り、散漫とした動機の中で、価値観なんてものは、その場で価値を失い、そこでチグハグになりながら、似たようなものを愛したり恨んだりと、利己的な思いがそこかしこで汎用され、はびこる悪意が包み込む幼稚な企みから、大義を損ない、喪失感に狂った冬の儀式、濃淡を描く筆先の襞、過剰に罪を謳う君たちの並木道、復元可能な昨日を可動させるために、カードを使い、仮想現実の中で現れるスタッカートや、衰亡やミルク、弥勒や風合いや、離床の歯痒さ、機械的セロ弾きのゴーシュや、空間的なものに現れる思いの割合や、ノスタルジーに絶え間なく氾濫していく動機が、偶像を飛び越え、自らの真実すらも超越し、真理なんてものは、信じるに値するかのようにして、意思や意識を押さえつけ、なあなあに今を生きるべきだ、などと押し付けられた意味の中で、何が正しいかすらも、簡単に見失ってしまうだけである。