昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

回路

水面を走る羽虫の幼虫たちのリビドー、理論上の敗北を許した学者たちが石に変わるまでの原理、理性などは、所詮は死滅したのだ、と、悲しみに暮れる彼女の湿度、逡巡している間に、アイロニーとは加速し、今に枷に変わるらしい、と、複製された真理が謳う合間に輪唱する差異やら神話、煩わしい結末を加工しながら、シナプスに迫る背徳感やら、過食気味の君の緩慢な命、最たる意味もなくなり、ここで摩耗し続けた精神は、今にも形骸化し、蓋然性に止まる保身が、今にひれ伏し、復唱される確かさなどが、すぐさま足枷に変わる狭い世界、正当なものなど今に廃れてしまうだけである、と、悲しみに暮れる君の横顔の機械らしさ、苛まれた心が枯渇して、災厄なんかに苦しみ簡易的な間にめり込む衝動に収容された傀儡たる私を超越し、私自体のゲームが閉じた後の世界を押し広げる愛憎ひしめく所以、潰えた後に省かれた魂たちの雨宿り、照合しきれない思い出の端数、美徳を追い続けるが故に、老いてしまう君の末路、毎日にひしめくファシズムの呼応、凄艶な日々に集う曖昧なエモートや、截然とした観念、迎合されるための明日を弔い、静謐に澱む過程に組み込まれた呪いのようなものを昇華させ、自らに何度も何度も帰り着く。