雑踏を徘徊する電子的な犬、田舎道を這いずる、希望や憧憬のアノニマス、無数の意識に鎮座する仏やマリア、曖昧な技師たちが身体を強化させるキュビズム的な研究所、浄化されない意思が妨げる暗鬱とした標本の世界、磔にされた虫たちの怨念をビートに変えたようなロックンロールによる軋轢、にじむ血の色は、七色で発色して、セオリーを散文に変えるボードレールの梅毒、バリウムを飲んだ刹那、鉄格子で暴れる実験動物の猿、記憶喪失のペリカンが大きな口を開けて、地球まで丸呑みにして捕食する映像が、延々と垂れ流されているブラウン管テレビの中、砂漠化した情念を、アスファルトに注ぎ込んで、観点を崩壊させた、過ちが蓄積する機能不全な家族の中、裁かれた過ちにより、曖昧になる面影が、制限もなく蠢く、父権的な世界の中で、データ化された精神に帰属するものが、蝕むまでの合間に、生じる思いの相関図や、感情的な君のニュアンスを彫刻する芸術家や、研鑽することもなく、ただただ、その愚かな過信から逃れられずに、行き過ぎた思いを散りばめた値から現れた顛末や、正気を失い、常軌を逸した場面を旋回する儀式的な何かがお辞儀することにより、偽装された正しさが、愚かさを次々に生み出して、今を踏み台にしていくことを、生きるために必要だったなどと抜かし、今を支配するために、ためらわずに誰彼構わず騙していく。
