昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

言葉

かさばった心の後ろ姿、忘我にまどろむ宇宙の進路、ハイエナたちの傷を撫でる雨の畜生、遊覧船を食べてしまったシロナガスクジラ、凡庸な焦土を歩くアンバランスな少女、人体模型が覗く天体望遠鏡、実感すらもなく、突然崩壊する家族、天変地異を食べて大きくなる神と、雪原を歩くヘラジカの群れ、リンクする苦悩から解き放たれ、可能世界へと旅立っていく不自然な二人、提携形態を恨む執拗な老人や、接合される動機付けに苦しむ少年たち、思春期のコードを打ち出す老いた指や、ふやけた感情や、レジスタンスが闊歩する近未来の淀んだ春、破壊的な思想により、廃墟と化した街並み、群像劇を徘徊するアンチテーゼを掲げた痕跡や、器官を泳ぐ機械的な魚や、境目も持たずに、ただ、愛するということに、恐れもしないで、ぶつかっていた幼気な日々から、たった、数十年で、主役の座からは降りてしまって、全くの誤解の雨の最中、さびれた心音を、一人聞きながら、この孤独の中、永遠に孤立しても尚、ずっと孤独であろうとする静謐な山中、前衛的な恋の終わりから、電気的な苦悩を司る幼稚な策略から、非合法の交わりやら、配膳される地球の残り滓などなどを、集めたシンフォニーにより、強制的に離脱する精神や、まとめた規範なんかに、騙されずに、必死に喰らいつくような、執拗さだけが、この世界を切り開くような、ダイナミズムを、己の中で加速させては、ささやかな幸せに踊らされずに、自らの意志だけの力により、うごめく一切が、とめどなく混ざり合いながら、今を浄化していく。