昇華

時間を超える意志的な憐れや戯れ

恋人たち

グッバイワールド。ちょっと汗でしょっぱい街並み。愚弄するスネーク。安心安全も崩壊したよソーリー。輪廻転生なんかしないよ。空はステキな涙目。鈍感な君の電気的な恋路。歩くほどにカネばかりをむさぼるロンリー。傷口に塩以上の痛み。晴れ渡るスカイ。視界は断続的に分裂して、個人を破壊するためのキャッシングの音。誰ともフィーリングなんか合うわけないし、うとましいだけの春の嗚咽や、勇ましい夏のあつくるしさにも嫌気がさすし、秋なんて中途半端なだけだし、冬なんてなにも定めるものもないし、誰といたって心は中途半端なままだ。君と穴という穴に埋め込まれた傷の匂い。噴火するほどの恋と「ごめんね」という言葉の間にあふれる空腹感により、満たされない愛とは運命から孤立するからね、と君の痩せた身体から吐き出される息が白亜紀以降を生み出して、前衛的な真理に基づく永劫にまとわりついて僕ら離れ離れになる。平行宇宙から飛び出して、トランス脂肪酸の海で眠る。ぶかぶかのブーツを履いて、ラムネみたいなクスリを飲んで、森羅万象を噛み砕くような音がサイレンのように響いて、いびつな関連性に連動していく嫌いという言葉が多種多様に氾濫して、乱反射する未来が繁栄していく現時点から取り残されずに今から逸脱して暴力的な咎めから逃れる。お揃いの悪魔を育てて、延々と引き伸ばされる空間からはち切れるためにためらわずに超越する。吹雪の中で諦観に至るまでの軌跡を数えるような秒針の音。祭壇に祀られた人形みたいな日々、あるいは変化を恐れるがあまりに、人形みたいに生きる君。あらゆる密度に接近する宇宙の端で蘇生される意味を問う合間に永劫回帰して、また一から同じように同じことを永遠回くりかえすあたりから、あらゆることは強固なものになり、真理をゆるがないものに変えるのです、とディストピアの神たる情報に操作される我々は依然として神の子であるのですね、と彼女は組織の中でしか養われないから、未だに神として金を崇拝するのかと、加算されるだけの日々は翅をもがれた人々がうずくまり、そのうずくまる人々が山のようになり、その上を歩くようなものであり、振り向くこともなく僕は歩く人を尻目に自らの翅を広げ、自由すらも捨て去り、飛び回る。君といる意味なんてないの、と語ることによる距離との同期を終え、ことごとくの顛末が遠のくまでのうたかたにそぐうものなどなく、ただ嘆くだけの君の雑音をかき消すために、この命とは引き伸ばされているらしい。